阿武隈川流域 南沢
2015.07.28
2015.7.26(日) 
場所:福島県西郷村(阿武隈川流域 南沢)
形態:沢登り
標高差:600m
メンバー:相方、ぜいぜい
コースタイム:
自宅20:30~西郷村キョロロン村P0:05/6:00~大黒屋入口旧道沿いP6:10/6:35~南沢出合7:00~F1,7:15~F2,7:55~
30m大滝11:05~大滝上12:20~奥の二俣(1350m圏)12:55~登山道、甲子山(1549m)山頂14:40/15:00~大黒屋17:00

大滝30m クリックでウェブアルバムにリンクします

場所:福島県西郷村(阿武隈川流域 南沢)
形態:沢登り
標高差:600m
メンバー:相方、ぜいぜい
コースタイム:
自宅20:30~西郷村キョロロン村P0:05/6:00~大黒屋入口旧道沿いP6:10/6:35~南沢出合7:00~F1,7:15~F2,7:55~
30m大滝11:05~大滝上12:20~奥の二俣(1350m圏)12:55~登山道、甲子山(1549m)山頂14:40/15:00~大黒屋17:00

大滝30m クリックでウェブアルバムにリンクします
山高きが故に貴からずとは昔から言い伝えられているけれど、沢も遡行距離が短いから楽ってことは今回全くなかったんだなこれが。
「遡行グレード2級下だから簡単だよ」ほんとに何度この言葉に騙されたことだろう。
でも「関東周辺の沢」では2級上になっていたし。。。
自分でも事前に下調べしとけばよかったけど、いつも行き先が決まるのは間際だし、慌ただしく地形図とるくらいなものなので
そんなものかなくらいだった。
ただ、30mの大滝があるのとF2は難しいみたいなのをヤマレコで読んでいたので、そのくらいの心積もりで現地に向かう。
*****************************************************
キョロロン村のPでテントを張って前泊、涼しくて快適だった。
そこから甲子温泉まではほんの数分、甲子温泉入口の旧道沿いに駐車スペースあり。
入渓点がちょっと分かりづらいけれど、駐車スペースから旧道を戻ると右手に下る道があり、R289の橋の下をくぐって踏み跡を進み
966m圏の狭くない方の尾根を下って行くと、阿武隈川本流の一里滝沢と南沢の出合の中間地点に降りたつ。

見栄えのしない出合、水流がないこともあるらしい
しょぼげな出合からすぐにF1、10mが目の前に現れると、高さがあってちょっといやかなりたじろぐ。
フリーで行けそうだけど、相方にお助け紐で確保してもらった。水流右から上部は右の窪を行く。

小滝を越え、のんびり進むと、F2、10mはやはり難しいというだけあって、しばし考えこむ。
左岸の巻きにスリングが数本下がっていたけれど、足場が脆そうで木々も少ない、おまけに高度感もあって踏み込めない。
水線右側がルートで残置に絡まっている青いスリングが見える。
ほぼ垂直でホールドスタンスも細かい。ここが登れなかったら敗退だなあと頭をかすめる。
相方とザイルを繋いで相方のルートを見守る。青いスリングの隣にもう一つ古いハーケンがありそこでランニングを取る。
ハーケンのある棚に上がる一歩がいやらしい。相方が登った後に私はちょっと水線に寄り過ぎたので棚の方に右上するのが怖く、
スリングを掴みたいのに、相方が棚の上に載せてしまって手が届かない(泣
棚に乗ってから後のほうが怖くはなかった。

ここが登れたので度胸がついたというか、もうどんとこいって気持ちになった。
4mトイ状を前衛としたF3、12mは見栄えのする直瀑で、赤っぽい岩と相まって美しく自然に溶け込んでいる。
ここは左岸に簡単な巻き道があるので安心

やはり前衛の小滝を従えてF4、8mは右から、この沢全般に言えることだけど、
岩が脆くスーパーマリオみたいに崩れそうな浮石しか足場がない所も、それをなだめなだめ注意しながら登る感じ。
ここも立っているので残置利用でザイル確保。
F5は前衛3mを左から取り付きますが細かい、上部は倒木の隙間からです。
沢中は滝場以外は結構倒木がうるさいところもあって、流木がたまっているところも。

F6、12mは一見階段状ですが、高度感があるのでザイル使用。

F7、10mはお助け紐で確保、F8、15mナメは唯一確保なしで登れるゆるやかさ。
この先でやっと1240m圏二俣、入渓からまだ標高差300m、うわあ、まだ半分かあと息も絶え絶え。。。
それでもなんとか登れる10mクラスが続くので、結構楽しい!

そしてついにF9、30m大滝がミニゴルジュっぽい小滝の連続した先に現れる。(トップ写真)
凄い威圧感で遠くから眺めると実際よりも高く感じる。そしてここで大失敗をやらかしてしまった。
この大滝の登り方はレポでみていたはずなのに、いざ滝の前に出会うとすっかり失念。
滝左のグズグズの岩場に水流があったため、もう少し左の泥岩ミックスのガレの斜面と勘違いしてしまう。
ここからの大高巻きは、ザイルなしで私が登れる代物でもなく、相方がザイルを引っ張って登っていくが、
相方にしては珍しくこぶし大の岩つぶを落としながら途中何度も躊躇しながらだ。
もとより、こんな滝から離れたザレの斜面から滝上部にトラバースできるはずもなく、仕方なくやや左手立ち木のある稜線を目指す。
この数十歩がさらに悪く、30mザイルの長さも残り少なく、見ていても気が気でない。
やっとのことで相方が立ち木で確保。次に私が続くが、あまりに急な泥斜面に滑りまくりで、どうしても登れない。
確保されている心強さで、ここを諦め、泥に薄い岩屑が張り付いた斜面が、足が確保できそうだったので
掛けのような感じでここに取り付き、なんとかクリア。相方の場所まで辿り着くも、ほんとに微妙な木の根の上。。。
ここから稜線までは高さ10mあるかないかだけれど、やはり手掛かりが少なく、ほんとに生きた心地がしなかった。
稜線に踏み跡はなくここを登った人はおそらくいないのではないかと、滝の落ち口上の更に支尾根から獣道に出会った。

一番右の滝横の窪を行きトラバースすればよかったのに、残念。。。

このアングルで大滝を見た人もいるのかな?あの滝の脇が意外と容易なのだそうだ。
上から見ていたら、後続の3名?パーティがやってきたけど、あれよあれよという間に、簡単に登って行ってしまった。
大滝の上でもうぐったりしてしまってしばし休憩、泥斜面をお助け紐で確保しながらズリズリと下った。
相方は自分の沢、バリエーション経験の中でも最悪な高巻きだと言っていた。ほんとにそう思う。
この先、もう怖い所もないだろうと、ややリラックスしながら登るけど、日差しが強すぎて、沢の中なのに暑い事この上なし。
ここからが休み休みな登りになってしまった。
最後のF10、6mとあるけど、8m位ありそうに見える。お助け紐出してもらったけど、上部は見た目より緊張した。

1350m圏奥の二俣は、もうほとんど水流も乏しい。左沢はゆるゆると稜線へ、右沢は傾斜の強いスラブのナメが奥壁まで続く。
ここは右沢をチョイス
途中階段状の5mの滝場が現れるけど、ヌメリが強く外傾していたので、相方がザイルを出してくれた。
悪い所は数歩だけど、お助けでは届かない感じだった。

いよいよスラブにも行き詰まって、右の斜面に逃げる。途中ちょっとトラバースしたりで登っていくけど、
右手が明るくなってきたので登山道のはずだけど、相方上が山頂だしと逃げさせてくれない、けち。。。
ぱっと出た所は山頂までほんの数mだった。この瞬間がほんとにうれしかった。


山頂からは、目の前にどーんと旭岳、そのとなりに三本槍岳と赤面山、会津の低山が西に連なって、北には吾妻山と磐梯山
それらが青空の下に広がる。
アキアカネがもう我が物に、その青空の下を乱舞する夏の盛り。。。だのに、風は心地よく涼やかだ。
沢装備を解きながら、静かな山頂で今日の無事と楽しさを思う。厳しかったからこその開放、お山や沢の醍醐味だ。

ホツツジにアキアカネ
さあ、そろそろ山頂を後にします。
つい数年前まで国道登山道だったこの道は、とても歩きやすくブナ、イタヤカエデ、柏、モミ、カツラなど豊かな植生がお山を覆う。
足元にはたくさんのトリアシショウマ、ヤマアジサイ、マルバイチヤクソウ、ハリブキ、
沢筋にはソバナ、シシウド、オタカラコウ、ミヤマカラマツなど花の時期は過ぎているとはいえ、目を楽しませてくれた。
大黒屋の温泉は端から間に合わず、ちゃぽランド西郷に、アメニティが充実していて清潔で、
何と言っても26日は風呂の日とかで半額、おまけに17時を回っていたので、一人200円で入れてしまった。やったね。
すっかり疲労困憊で食欲もわかず、ありあわせな残り物ですませて帰路につきました。
「遡行グレード2級下だから簡単だよ」ほんとに何度この言葉に騙されたことだろう。
でも「関東周辺の沢」では2級上になっていたし。。。
自分でも事前に下調べしとけばよかったけど、いつも行き先が決まるのは間際だし、慌ただしく地形図とるくらいなものなので
そんなものかなくらいだった。
ただ、30mの大滝があるのとF2は難しいみたいなのをヤマレコで読んでいたので、そのくらいの心積もりで現地に向かう。
*****************************************************
キョロロン村のPでテントを張って前泊、涼しくて快適だった。
そこから甲子温泉まではほんの数分、甲子温泉入口の旧道沿いに駐車スペースあり。
入渓点がちょっと分かりづらいけれど、駐車スペースから旧道を戻ると右手に下る道があり、R289の橋の下をくぐって踏み跡を進み
966m圏の狭くない方の尾根を下って行くと、阿武隈川本流の一里滝沢と南沢の出合の中間地点に降りたつ。


見栄えのしない出合、水流がないこともあるらしい
しょぼげな出合からすぐにF1、10mが目の前に現れると、高さがあってちょっといやかなりたじろぐ。
フリーで行けそうだけど、相方にお助け紐で確保してもらった。水流右から上部は右の窪を行く。

小滝を越え、のんびり進むと、F2、10mはやはり難しいというだけあって、しばし考えこむ。
左岸の巻きにスリングが数本下がっていたけれど、足場が脆そうで木々も少ない、おまけに高度感もあって踏み込めない。
水線右側がルートで残置に絡まっている青いスリングが見える。
ほぼ垂直でホールドスタンスも細かい。ここが登れなかったら敗退だなあと頭をかすめる。
相方とザイルを繋いで相方のルートを見守る。青いスリングの隣にもう一つ古いハーケンがありそこでランニングを取る。
ハーケンのある棚に上がる一歩がいやらしい。相方が登った後に私はちょっと水線に寄り過ぎたので棚の方に右上するのが怖く、
スリングを掴みたいのに、相方が棚の上に載せてしまって手が届かない(泣
棚に乗ってから後のほうが怖くはなかった。

ここが登れたので度胸がついたというか、もうどんとこいって気持ちになった。
4mトイ状を前衛としたF3、12mは見栄えのする直瀑で、赤っぽい岩と相まって美しく自然に溶け込んでいる。
ここは左岸に簡単な巻き道があるので安心



やはり前衛の小滝を従えてF4、8mは右から、この沢全般に言えることだけど、
岩が脆くスーパーマリオみたいに崩れそうな浮石しか足場がない所も、それをなだめなだめ注意しながら登る感じ。
ここも立っているので残置利用でザイル確保。
F5は前衛3mを左から取り付きますが細かい、上部は倒木の隙間からです。
沢中は滝場以外は結構倒木がうるさいところもあって、流木がたまっているところも。


F6、12mは一見階段状ですが、高度感があるのでザイル使用。


F7、10mはお助け紐で確保、F8、15mナメは唯一確保なしで登れるゆるやかさ。
この先でやっと1240m圏二俣、入渓からまだ標高差300m、うわあ、まだ半分かあと息も絶え絶え。。。
それでもなんとか登れる10mクラスが続くので、結構楽しい!


そしてついにF9、30m大滝がミニゴルジュっぽい小滝の連続した先に現れる。(トップ写真)
凄い威圧感で遠くから眺めると実際よりも高く感じる。そしてここで大失敗をやらかしてしまった。
この大滝の登り方はレポでみていたはずなのに、いざ滝の前に出会うとすっかり失念。
滝左のグズグズの岩場に水流があったため、もう少し左の泥岩ミックスのガレの斜面と勘違いしてしまう。
ここからの大高巻きは、ザイルなしで私が登れる代物でもなく、相方がザイルを引っ張って登っていくが、
相方にしては珍しくこぶし大の岩つぶを落としながら途中何度も躊躇しながらだ。
もとより、こんな滝から離れたザレの斜面から滝上部にトラバースできるはずもなく、仕方なくやや左手立ち木のある稜線を目指す。
この数十歩がさらに悪く、30mザイルの長さも残り少なく、見ていても気が気でない。
やっとのことで相方が立ち木で確保。次に私が続くが、あまりに急な泥斜面に滑りまくりで、どうしても登れない。
確保されている心強さで、ここを諦め、泥に薄い岩屑が張り付いた斜面が、足が確保できそうだったので
掛けのような感じでここに取り付き、なんとかクリア。相方の場所まで辿り着くも、ほんとに微妙な木の根の上。。。
ここから稜線までは高さ10mあるかないかだけれど、やはり手掛かりが少なく、ほんとに生きた心地がしなかった。
稜線に踏み跡はなくここを登った人はおそらくいないのではないかと、滝の落ち口上の更に支尾根から獣道に出会った。


一番右の滝横の窪を行きトラバースすればよかったのに、残念。。。

このアングルで大滝を見た人もいるのかな?あの滝の脇が意外と容易なのだそうだ。
上から見ていたら、後続の3名?パーティがやってきたけど、あれよあれよという間に、簡単に登って行ってしまった。
大滝の上でもうぐったりしてしまってしばし休憩、泥斜面をお助け紐で確保しながらズリズリと下った。
相方は自分の沢、バリエーション経験の中でも最悪な高巻きだと言っていた。ほんとにそう思う。
この先、もう怖い所もないだろうと、ややリラックスしながら登るけど、日差しが強すぎて、沢の中なのに暑い事この上なし。
ここからが休み休みな登りになってしまった。
最後のF10、6mとあるけど、8m位ありそうに見える。お助け紐出してもらったけど、上部は見た目より緊張した。

1350m圏奥の二俣は、もうほとんど水流も乏しい。左沢はゆるゆると稜線へ、右沢は傾斜の強いスラブのナメが奥壁まで続く。
ここは右沢をチョイス
途中階段状の5mの滝場が現れるけど、ヌメリが強く外傾していたので、相方がザイルを出してくれた。
悪い所は数歩だけど、お助けでは届かない感じだった。


いよいよスラブにも行き詰まって、右の斜面に逃げる。途中ちょっとトラバースしたりで登っていくけど、
右手が明るくなってきたので登山道のはずだけど、相方上が山頂だしと逃げさせてくれない、けち。。。
ぱっと出た所は山頂までほんの数mだった。この瞬間がほんとにうれしかった。



山頂からは、目の前にどーんと旭岳、そのとなりに三本槍岳と赤面山、会津の低山が西に連なって、北には吾妻山と磐梯山
それらが青空の下に広がる。
アキアカネがもう我が物に、その青空の下を乱舞する夏の盛り。。。だのに、風は心地よく涼やかだ。
沢装備を解きながら、静かな山頂で今日の無事と楽しさを思う。厳しかったからこその開放、お山や沢の醍醐味だ。


ホツツジにアキアカネ
さあ、そろそろ山頂を後にします。
つい数年前まで国道登山道だったこの道は、とても歩きやすくブナ、イタヤカエデ、柏、モミ、カツラなど豊かな植生がお山を覆う。
足元にはたくさんのトリアシショウマ、ヤマアジサイ、マルバイチヤクソウ、ハリブキ、
沢筋にはソバナ、シシウド、オタカラコウ、ミヤマカラマツなど花の時期は過ぎているとはいえ、目を楽しませてくれた。
大黒屋の温泉は端から間に合わず、ちゃぽランド西郷に、アメニティが充実していて清潔で、
何と言っても26日は風呂の日とかで半額、おまけに17時を回っていたので、一人200円で入れてしまった。やったね。
すっかり疲労困憊で食欲もわかず、ありあわせな残り物ですませて帰路につきました。
Comment
- おくがけど
これは完全に登攀系の沢ですな。
水際の方が意外と簡単に登れたりするときもあるのですが、その見極めがなかなか難しいっす。
水際の方が意外と簡単に登れたりするときもあるのですが、その見極めがなかなか難しいっす。
2015.07.29 Wed 23:41 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆おくがけちゃん
相方と長男が喜びそうな沢でした。
ここは、両岸が立っているので、巻きは滝より難しそうで、滝登攀しかほぼ選択肢がありませんでした。
なんとか登坂できてほんとによかったです。
大滝の脇をいかなかったのがほんとに悔やまれました。
相方と長男が喜びそうな沢でした。
ここは、両岸が立っているので、巻きは滝より難しそうで、滝登攀しかほぼ選択肢がありませんでした。
なんとか登坂できてほんとによかったです。
大滝の脇をいかなかったのがほんとに悔やまれました。
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