巻機山(1967m)
2015.05.08
2015.4.29(水) 
場所:新潟県南魚沼市
形態:雪山登山
標高差:1247m
メンバー:相方、長男、ぜいぜい
コースタイム:
自宅20:50~道の駅南魚沼0:20/5:30~巻機山麓キャンプ場P5:55/6:15~桜坂6:30~5合目8:05~1500m圏平原9:50/10:00
ニセ巻機(1861m)10:35(ぜいぜい11:40)~巻機山11:25/12:05~ニセ巻機12:30/12:40~巻機山麓キャンプ場P15:25


場所:新潟県南魚沼市
形態:雪山登山
標高差:1247m
メンバー:相方、長男、ぜいぜい
コースタイム:
自宅20:50~道の駅南魚沼0:20/5:30~巻機山麓キャンプ場P5:55/6:15~桜坂6:30~5合目8:05~1500m圏平原9:50/10:00
ニセ巻機(1861m)10:35(ぜいぜい11:40)~巻機山11:25/12:05~ニセ巻機12:30/12:40~巻機山麓キャンプ場P15:25

正直、巻機山を少し見くびっていた気がする。
もちろん標高差は1200mもあるし、残雪期でも体力勝負なことは容易に想像できるし、
そういう面については心を引き締めていたつもりだった。
が、自分の想像力が働かなかったのは、5合目までの冬道の困難さだった。雪面を歩くのだから急登でもアイゼンを効かせて
というのは、残雪期のグズグズの雪にはあまり効果は期待できず、
最適なルートを選ばないと、豪雪地帯特有の深いヤブに阻まれるか、立ちはだかる雪面に泣くかという究極の選択を迫られる。
それでも、積雪期にしか歩けないブナのプロムナードは心を癒してくれるし、
雪原に出た時の展望の広がりはそれまでの苦労が報われると言うものだった。
**************************************************
南魚沼市の商工観光課に電話を入れ、桜坂駐車場の積雪状況を聞くと、27日に除雪車が入って除雪されているということだった。
喜び勇んで現地に向かうが、大分手前で通行止めになっており、15分程の歩きが加わった。

ここに駐車 この橋のたもとに登山ポストが移されていました。
米子沢は雪解けの水を頂いて、今まさに冬の眠りから覚めようというところで、桜坂の桜も見頃だった。

登山口より入れば、雪原は別荘地の方とひと続きになっているため、右方向に軸を振りながらゆるい斜面を登っていきます。
3月には木々の根開きは始まってもまだ裸木のままですが、4月も後半になると新緑が始まって好ましい風景になります。
夏道は左の尾根のようですが、踏み跡にならって沢型を登っていきます。
写真を撮りながらのろのろしていると、もう相方たちは先に進んでしまって姿が見えません。
まさか、この後シビアなルートが待っているとも知らずに、ここからが単独行になっていきます。

この左手尾根が夏道らしい(下山時確認) 踏み跡にならって沢型を行く
錯綜するルートを行く内に、相方たちの踏み跡を見失いますが、正面の1128Pを目指せばいいので、
歩きやすそうなルートを拾っていきます。この上りではテープのたぐいはまったく気づかなかったのですが、
下山時に見れば、忘れた頃に出てくるという感じです。ただ、雪の状況でこのテープの指示でいいのかは
やはり自分の判断かと思います。
右によりすぎると大藪に、もう少し左手だと手がかりの全くない急斜面になるので(登山者、相方たちに確認)
慎重なルーファイとまた時期によっては夏道も出てくるので、その時の判断が重要です。


相方、長男ルート
斜面は段々斜度を増してきて、たまらず、途中の根開きの平らなところでアイゼンをつけます。
正直ぜいぜいは写真を撮る余裕全くなし。。。
木々を頼りに歩くのが精一杯で、はたしてここを帰りに下れるのかと、すでにそちらの心配が頭をもたげます。

あとから3人の地元らしい男性が登ってきますが、なんと二人は長靴で、ほんとうに恐るべしです。
人に会えたことで、このルートになんとか自信も持てて、もうひと頑張りすると、あたりは植生が変わってブナ林です。
ここでやっと傾斜も緩んで、涙が出そうなくらい美しい林の中です。

右の笹原から声がするので登ってみると、ちょうど登山道でした。展望がいいので、縁まで出てみます。
雪に閉ざされた米子沢はスキーヤーが巻機山の山頂から一気に滑り降りるそうで、
あの急な滝場をとほんとに驚きです。

南に目を向ければ、大源太山が黒い肌を表して一際目立ちます。
木々の芽吹きの始まった山々と、遠くいまだ雪を頂いた谷川の峰々との対照はこの時期ならではのもので、
すべてが雪に覆われた冬山とはまた違う新鮮な光景です。

再びブナ林に戻って、気持よく登っていきます。
この界隈はこの時期にしか登れないので、味わうように一歩一歩踏みしめていく。夏道とは全く違う世界。。。

ブナ林を越えると平原に出ます。この界隈は秋には低木の紅葉の美しいところ
いまは、すっかり雪面の下に隠れてすばらしい展望です。
向かう先にはニセ巻機のピークが、振り返れば谷川の山々や苗場山が煌めきます。

苗場山 ニセ巻機

割引岳 万太郎山~仙ノ倉山~平標山
この先笹原になって登山道は一旦雪が消えます。アイゼンを外して先に向かいます。
一箇所いやなトラバースもありますが、短いのでそまま行きます。

笹原の暑さにふ~ふ~言いながら登って行くとやっとニセ巻機。。。もうどっかりと腰を下ろします。
相方たちが巻機山山頂にいるのがなんとなくわかります。
ここから山頂まで1h、山頂は手に取るような近さですが、時間を考えるとちょっと厳しいのでここでまったりします。
ここまででもすでに標高差1140m、すごくがんばったなとひとりごちる。

さて、相方たちはとうに山頂です。
山頂ではさらに越後三山の展望も広がって快晴のもと思い切り展望を楽しんでいるようです。

本当の山頂

左から八海山~越後駒ヶ岳~中ノ岳

国境稜線 谷川方面
相方たちが戻ってきたところで一緒に下山。
雪原での展望に名残を惜しみながら、ブナ林、そして恐怖の雑木の激下りに入ります。
なんせ、斜面の先が急すぎて見えません。
ちょっと下ると、先行者がジグを切って下っていく踏み跡があって、それに助けられました。

大きなクラックが入り始めています 国境稜線

写真では分かりづらいですが、すんごい下りです
平らな樹林帯の中では、適当に下って行ったら、桜坂駐車場の川寄りの方に降りました。
無事に帰れて一安心でした。
国道脇に咲いていたカタクリ

***覚え書き***
・島新田温泉 金城の里(¥320)、ここはリーズナブルでいつも空いていて最高です。
・残雪期の駐車場の状況は南魚沼市の商工観光課に事前確認しておくといいでしょう。
もちろん標高差は1200mもあるし、残雪期でも体力勝負なことは容易に想像できるし、
そういう面については心を引き締めていたつもりだった。
が、自分の想像力が働かなかったのは、5合目までの冬道の困難さだった。雪面を歩くのだから急登でもアイゼンを効かせて
というのは、残雪期のグズグズの雪にはあまり効果は期待できず、
最適なルートを選ばないと、豪雪地帯特有の深いヤブに阻まれるか、立ちはだかる雪面に泣くかという究極の選択を迫られる。
それでも、積雪期にしか歩けないブナのプロムナードは心を癒してくれるし、
雪原に出た時の展望の広がりはそれまでの苦労が報われると言うものだった。
**************************************************
南魚沼市の商工観光課に電話を入れ、桜坂駐車場の積雪状況を聞くと、27日に除雪車が入って除雪されているということだった。
喜び勇んで現地に向かうが、大分手前で通行止めになっており、15分程の歩きが加わった。


ここに駐車 この橋のたもとに登山ポストが移されていました。
米子沢は雪解けの水を頂いて、今まさに冬の眠りから覚めようというところで、桜坂の桜も見頃だった。


登山口より入れば、雪原は別荘地の方とひと続きになっているため、右方向に軸を振りながらゆるい斜面を登っていきます。
3月には木々の根開きは始まってもまだ裸木のままですが、4月も後半になると新緑が始まって好ましい風景になります。
夏道は左の尾根のようですが、踏み跡にならって沢型を登っていきます。
写真を撮りながらのろのろしていると、もう相方たちは先に進んでしまって姿が見えません。
まさか、この後シビアなルートが待っているとも知らずに、ここからが単独行になっていきます。


この左手尾根が夏道らしい(下山時確認) 踏み跡にならって沢型を行く
錯綜するルートを行く内に、相方たちの踏み跡を見失いますが、正面の1128Pを目指せばいいので、
歩きやすそうなルートを拾っていきます。この上りではテープのたぐいはまったく気づかなかったのですが、
下山時に見れば、忘れた頃に出てくるという感じです。ただ、雪の状況でこのテープの指示でいいのかは
やはり自分の判断かと思います。
右によりすぎると大藪に、もう少し左手だと手がかりの全くない急斜面になるので(登山者、相方たちに確認)
慎重なルーファイとまた時期によっては夏道も出てくるので、その時の判断が重要です。




相方、長男ルート
斜面は段々斜度を増してきて、たまらず、途中の根開きの平らなところでアイゼンをつけます。
正直ぜいぜいは写真を撮る余裕全くなし。。。
木々を頼りに歩くのが精一杯で、はたしてここを帰りに下れるのかと、すでにそちらの心配が頭をもたげます。

あとから3人の地元らしい男性が登ってきますが、なんと二人は長靴で、ほんとうに恐るべしです。
人に会えたことで、このルートになんとか自信も持てて、もうひと頑張りすると、あたりは植生が変わってブナ林です。
ここでやっと傾斜も緩んで、涙が出そうなくらい美しい林の中です。

右の笹原から声がするので登ってみると、ちょうど登山道でした。展望がいいので、縁まで出てみます。
雪に閉ざされた米子沢はスキーヤーが巻機山の山頂から一気に滑り降りるそうで、
あの急な滝場をとほんとに驚きです。


南に目を向ければ、大源太山が黒い肌を表して一際目立ちます。
木々の芽吹きの始まった山々と、遠くいまだ雪を頂いた谷川の峰々との対照はこの時期ならではのもので、
すべてが雪に覆われた冬山とはまた違う新鮮な光景です。

再びブナ林に戻って、気持よく登っていきます。
この界隈はこの時期にしか登れないので、味わうように一歩一歩踏みしめていく。夏道とは全く違う世界。。。


ブナ林を越えると平原に出ます。この界隈は秋には低木の紅葉の美しいところ
いまは、すっかり雪面の下に隠れてすばらしい展望です。
向かう先にはニセ巻機のピークが、振り返れば谷川の山々や苗場山が煌めきます。


苗場山 ニセ巻機


割引岳 万太郎山~仙ノ倉山~平標山
この先笹原になって登山道は一旦雪が消えます。アイゼンを外して先に向かいます。
一箇所いやなトラバースもありますが、短いのでそまま行きます。


笹原の暑さにふ~ふ~言いながら登って行くとやっとニセ巻機。。。もうどっかりと腰を下ろします。
相方たちが巻機山山頂にいるのがなんとなくわかります。
ここから山頂まで1h、山頂は手に取るような近さですが、時間を考えるとちょっと厳しいのでここでまったりします。
ここまででもすでに標高差1140m、すごくがんばったなとひとりごちる。

さて、相方たちはとうに山頂です。
山頂ではさらに越後三山の展望も広がって快晴のもと思い切り展望を楽しんでいるようです。


本当の山頂

左から八海山~越後駒ヶ岳~中ノ岳


国境稜線 谷川方面
相方たちが戻ってきたところで一緒に下山。
雪原での展望に名残を惜しみながら、ブナ林、そして恐怖の雑木の激下りに入ります。
なんせ、斜面の先が急すぎて見えません。
ちょっと下ると、先行者がジグを切って下っていく踏み跡があって、それに助けられました。


大きなクラックが入り始めています 国境稜線


写真では分かりづらいですが、すんごい下りです
平らな樹林帯の中では、適当に下って行ったら、桜坂駐車場の川寄りの方に降りました。
無事に帰れて一安心でした。
国道脇に咲いていたカタクリ

***覚え書き***
・島新田温泉 金城の里(¥320)、ここはリーズナブルでいつも空いていて最高です。
・残雪期の駐車場の状況は南魚沼市の商工観光課に事前確認しておくといいでしょう。
Comment
- 坂月沢蚊
山頂まで行けずに残念でしたね。
5月なのにまだまだ雪景色ですね。
5月なのにまだまだ雪景色ですね。
2015.05.09 Sat 21:22 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆坂月沢蚊さん
5合目までで結構体力消耗でした。
上越は遅くまで雪深いですね。だからこそ、根開きしている木々の生命力になんとも言えない感動を覚えます。
5合目までで結構体力消耗でした。
上越は遅くまで雪深いですね。だからこそ、根開きしている木々の生命力になんとも言えない感動を覚えます。
- hiro
行きたいな~な巻機山です
この時期もとてもよさそう。なんといっても残雪がいいですね。あとブナも。でもこの時期ならではのルートの難しさを考えると、私にはもっと後になりそう。。。
まずは夏道の巻機へ行かないと^^;
この時期もとてもよさそう。なんといっても残雪がいいですね。あとブナも。でもこの時期ならではのルートの難しさを考えると、私にはもっと後になりそう。。。
まずは夏道の巻機へ行かないと^^;
2015.05.11 Mon 14:26 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆hiroちゃん
ブナ林から上はいいんだけどなあ。
5合目までのルートが結構怖いです。ルーファイも気を使うし。。。
秋とかは紅葉が感涙ものなので、その時期にまず行ってみて。
雪山にだいぶ慣れたら、夏道と随分コースが違うから、そういう感動もあるよ。
ブナ林から上はいいんだけどなあ。
5合目までのルートが結構怖いです。ルーファイも気を使うし。。。
秋とかは紅葉が感涙ものなので、その時期にまず行ってみて。
雪山にだいぶ慣れたら、夏道と随分コースが違うから、そういう感動もあるよ。
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