霧ヶ峰、観音沢
2014.06.30
美しい沢や山中に分け入った時、その美しさに目を奪われますが、
それは本来の自然の中からのほんの一握りを写し取っているにすぎません。
そしてその美しさの裏には、厳しい自然の中で命を絶えた生き物、更に食物連鎖の上位の生き物に命を捧げたものたち、
多くのひこばえの中からやっと一本、命をつないで大きく育った木々、
それらの過去からの営みの続く、今この時の一瞬の風景だということを忘れてはいけない。
水や土や光や空気やすべてのものたちと絡まっている自分。
自然を肌で感じるとき、これは奇跡かもしれないと思うことがしばしばです。
生きることは自然の営みの一瞬の出来事かもしれないけれど、
その自然と対峙できることは、自然の長い長い奇跡の歴史を感じることでもあり、
そこにいる自分は、こんな長い営みを背負っているのだなあと思わずにはいられないのです。

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それは本来の自然の中からのほんの一握りを写し取っているにすぎません。
そしてその美しさの裏には、厳しい自然の中で命を絶えた生き物、更に食物連鎖の上位の生き物に命を捧げたものたち、
多くのひこばえの中からやっと一本、命をつないで大きく育った木々、
それらの過去からの営みの続く、今この時の一瞬の風景だということを忘れてはいけない。
水や土や光や空気やすべてのものたちと絡まっている自分。
自然を肌で感じるとき、これは奇跡かもしれないと思うことがしばしばです。
生きることは自然の営みの一瞬の出来事かもしれないけれど、
その自然と対峙できることは、自然の長い長い奇跡の歴史を感じることでもあり、
そこにいる自分は、こんな長い営みを背負っているのだなあと思わずにはいられないのです。

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2014.6.29(日)
のち
場所:霧ヶ峰、観音沢
形態:沢ハイク
メンバー:相方、長男、ぜいぜい
コースタイム:自宅4:40~大平集落跡P8:15/8:40~初めのナメ9:00~休憩10:40/10:50~
林道横断地点11:40~沢終了解除12:00/12:15~大平集落跡P13:30
国土地理院地形図 gsi20140702150929.html
地形図を見るのが好きだ。
沢と名の付く場所を探しては、ここは遡行できるのかな?誰か行っているかなとwebを漁る。
そういう見方をしているとガイドブックにはない沢に巡りあうことがある。
ここ観音沢もそうやって見つけたもの。
遡行記録は1本もないどころか、登山道はあるのに登山記録すら数えるほど。
しかし、登山記録も数件ということは、大分荒廃している場所なのだろうか。
webの数少ない情報では、この界隈は「御柱の森」として、
7年に1度の下諏訪の御柱祭りのモミの大木を切り出す神聖な神域であることがわかった。
また、八島湿原に旧御射山遺跡という祭事の跡がありますが、
御射山御狩神事(みさやまみかりしんじ) として、風神でもある諏訪明神に収穫前に豊作を祈願すると共に
鎌倉時代の武士が武芸を競い、
それを見るために、諏訪から武士や見物客がこの観音沢沿いの道を辿って行ったということもわかりました。
登山地図からも消えて、人々から忘れられようとしている道ですが、さてさて結果やいかに。

沢は遡行記録がないのと、ゆるい地形から明らかにショボ沢の公算が強い。
が、上流域は等高線も詰まっているし、もしやという気持ちも。
相方たちは、
今年はヤビキ沢雪渓に阻まれる、地獄棚沢F3滑落で敗退、玄倉川中流、水位高くラストまで詰めれずという状況で、
「今年はまだ完全遡行してないんだから、きょうは何としても完全遡行できるんでしょうね。」
といらぬプレッシャーをかけられる。
自宅を出て静岡県に入ったあたりから雨模様となり、相方と長男から、「おいおいおいおいおい」の
おいおい攻めにあいますが、「大丈夫長野県任せて下さい」とぜいぜい胸を張ります。
八ヶ岳Pで朝食を取っているあたりから、編笠、権現と少しづつお山の展望も開けてきて青空も広がり
なんだかワクワクしてきます。
最後の休日割引50%の恩恵をうけて、岡谷ICで中央道と別れます。
R142より木落し坂トンネルから県道199へと入って、細い道を今は廃村となった大平集落跡へと向かいます。
クリックOK
廃村になったここは、侘びしくバス停の待合所が佇んでいますが、左手に勢い良く流れる水場に訪れる人も多く
それなりに賑わってはいます。
この道のすぐ右手に入って、取水施設と堰堤のある空木沢(これが東俣川の本流のよう)を過ぎれば
木の橋でここから入渓します。
しばらく平凡なゴーロが続き、20分ほどで最初のナメです。
思いのほか水量が多く、おまけに水が冷たいので、もしやまだ雪渓が残っているのかなと危惧しますが
大丈夫そうでした。

そして、ひたすらひたすらゴーロが続きます。。。
水深は結構深いところもあるので、水線にこだわればそれなりに面倒なのですが、
河原、いくらでも歩けちゃうんで。。。


水面には、苔や木々の緑が映ります

私は足が調子悪いので、このくらいのユルユルが丁度いいのですが、長男一言「もう、飽きた」と。
相方は、「また黒エンジュかよ」と憎まれ口です。
実際のイメージとしては、水量と川幅のある黒エンジュ、もしくは大滝のない伝丈沢と言ったところでしょうか。
もうかれこれ2kmは歩いているはずですが、滝場が現れる気配が全くありません。
白い水しぶきが高い所にみえるので、「やった、やっと滝場だ」と思えば、単に多段に流れ落ちているだけであったり
期待をしては裏切られるという繰り返しです。


が、時折現れるナメは気持ちよく、沢を取り囲む木々は、サワグルミ、カツラ、カエデなどが大木となっているし
何と言っても水々しい苔が大岩を覆っている様子は何物にも踏みつけられず、
こうして長い年月を過ごしてきただろうと想像されます。

ちょっと小滝が現れ出すと、林道が沢を横断した場所に出ます。
この先で雨脚が大分強くなってきます。あと標高差で100m距離にして750mほどで屏風岩なのですが、
もう皆の顔には「飽きた」ってはっきり書いてあります。

またしても完全遡行ならずの記録を積み上げていきますが、まあ、そういうこともありでしょう。
私は、美しい自然に会えた事こそがうれしいので、結果にはあまりこだわりません。
橋まで戻り林道に出て沢解除します。
標識を右手の大平に向かいます。(左手県道経由は長いです)

途中朽ちた標識がありましたが、もう少し先の登山道合流点から下ろうと思っていたら、
なんと下諏訪神社の社有林で入山禁止の看板が。。。
仕方なく適当に下り、最初に林道と交わった登山道と合流しました。
観音沢左岸のやや高い所を下っていきます。
所々ジメッとした場所には、クリンソウが咲き始めています。

大分下ったところで狭い牧場跡があります。朽ち果てた家屋に生活の痕跡もあり、
打ち捨てられた場所というにはあまりにも明るく、その明るさがかえって寂しさも誘います。

雨は歩いている途中で上がりました。
冷たい水場で沢装備を洗って、またも日差しが戻った下界は暑いのだろうな。
狭い県道から八島湿原に出てちょっと見学、観音沢の詰めのあたりもビーナスラインから確認し
白樺湖のすずらんの湯に浸かりました。
夕食は長男おすすめの御殿場の「魚がし」でした。お値段リーズナブルでまあまあでした。



場所:霧ヶ峰、観音沢
形態:沢ハイク
メンバー:相方、長男、ぜいぜい
コースタイム:自宅4:40~大平集落跡P8:15/8:40~初めのナメ9:00~休憩10:40/10:50~
林道横断地点11:40~沢終了解除12:00/12:15~大平集落跡P13:30
国土地理院地形図 gsi20140702150929.html
地形図を見るのが好きだ。
沢と名の付く場所を探しては、ここは遡行できるのかな?誰か行っているかなとwebを漁る。
そういう見方をしているとガイドブックにはない沢に巡りあうことがある。
ここ観音沢もそうやって見つけたもの。
遡行記録は1本もないどころか、登山道はあるのに登山記録すら数えるほど。
しかし、登山記録も数件ということは、大分荒廃している場所なのだろうか。
webの数少ない情報では、この界隈は「御柱の森」として、
7年に1度の下諏訪の御柱祭りのモミの大木を切り出す神聖な神域であることがわかった。
また、八島湿原に旧御射山遺跡という祭事の跡がありますが、
御射山御狩神事(みさやまみかりしんじ) として、風神でもある諏訪明神に収穫前に豊作を祈願すると共に
鎌倉時代の武士が武芸を競い、
それを見るために、諏訪から武士や見物客がこの観音沢沿いの道を辿って行ったということもわかりました。
登山地図からも消えて、人々から忘れられようとしている道ですが、さてさて結果やいかに。

沢は遡行記録がないのと、ゆるい地形から明らかにショボ沢の公算が強い。
が、上流域は等高線も詰まっているし、もしやという気持ちも。
相方たちは、
今年はヤビキ沢雪渓に阻まれる、地獄棚沢F3滑落で敗退、玄倉川中流、水位高くラストまで詰めれずという状況で、
「今年はまだ完全遡行してないんだから、きょうは何としても完全遡行できるんでしょうね。」
といらぬプレッシャーをかけられる。
自宅を出て静岡県に入ったあたりから雨模様となり、相方と長男から、「おいおいおいおいおい」の
おいおい攻めにあいますが、「大丈夫長野県任せて下さい」とぜいぜい胸を張ります。
八ヶ岳Pで朝食を取っているあたりから、編笠、権現と少しづつお山の展望も開けてきて青空も広がり
なんだかワクワクしてきます。
最後の休日割引50%の恩恵をうけて、岡谷ICで中央道と別れます。
R142より木落し坂トンネルから県道199へと入って、細い道を今は廃村となった大平集落跡へと向かいます。


クリックOK
廃村になったここは、侘びしくバス停の待合所が佇んでいますが、左手に勢い良く流れる水場に訪れる人も多く
それなりに賑わってはいます。
この道のすぐ右手に入って、取水施設と堰堤のある空木沢(これが東俣川の本流のよう)を過ぎれば
木の橋でここから入渓します。
しばらく平凡なゴーロが続き、20分ほどで最初のナメです。
思いのほか水量が多く、おまけに水が冷たいので、もしやまだ雪渓が残っているのかなと危惧しますが
大丈夫そうでした。


そして、ひたすらひたすらゴーロが続きます。。。
水深は結構深いところもあるので、水線にこだわればそれなりに面倒なのですが、
河原、いくらでも歩けちゃうんで。。。


水面には、苔や木々の緑が映ります

私は足が調子悪いので、このくらいのユルユルが丁度いいのですが、長男一言「もう、飽きた」と。
相方は、「また黒エンジュかよ」と憎まれ口です。
実際のイメージとしては、水量と川幅のある黒エンジュ、もしくは大滝のない伝丈沢と言ったところでしょうか。
もうかれこれ2kmは歩いているはずですが、滝場が現れる気配が全くありません。
白い水しぶきが高い所にみえるので、「やった、やっと滝場だ」と思えば、単に多段に流れ落ちているだけであったり
期待をしては裏切られるという繰り返しです。


が、時折現れるナメは気持ちよく、沢を取り囲む木々は、サワグルミ、カツラ、カエデなどが大木となっているし
何と言っても水々しい苔が大岩を覆っている様子は何物にも踏みつけられず、
こうして長い年月を過ごしてきただろうと想像されます。

ちょっと小滝が現れ出すと、林道が沢を横断した場所に出ます。
この先で雨脚が大分強くなってきます。あと標高差で100m距離にして750mほどで屏風岩なのですが、
もう皆の顔には「飽きた」ってはっきり書いてあります。


またしても完全遡行ならずの記録を積み上げていきますが、まあ、そういうこともありでしょう。
私は、美しい自然に会えた事こそがうれしいので、結果にはあまりこだわりません。
橋まで戻り林道に出て沢解除します。
標識を右手の大平に向かいます。(左手県道経由は長いです)


途中朽ちた標識がありましたが、もう少し先の登山道合流点から下ろうと思っていたら、
なんと下諏訪神社の社有林で入山禁止の看板が。。。
仕方なく適当に下り、最初に林道と交わった登山道と合流しました。
観音沢左岸のやや高い所を下っていきます。
所々ジメッとした場所には、クリンソウが咲き始めています。


大分下ったところで狭い牧場跡があります。朽ち果てた家屋に生活の痕跡もあり、
打ち捨てられた場所というにはあまりにも明るく、その明るさがかえって寂しさも誘います。

雨は歩いている途中で上がりました。
冷たい水場で沢装備を洗って、またも日差しが戻った下界は暑いのだろうな。
狭い県道から八島湿原に出てちょっと見学、観音沢の詰めのあたりもビーナスラインから確認し
白樺湖のすずらんの湯に浸かりました。
夕食は長男おすすめの御殿場の「魚がし」でした。お値段リーズナブルでまあまあでした。

Comment
- とち
ぜいぜいちゃん
足の痛みはどうでしたか?
後で痛みが来ませんように。
最初の写真
勢いというか「生命力」を感じます。
とっても素敵!
足の痛みはどうでしたか?
後で痛みが来ませんように。
最初の写真
勢いというか「生命力」を感じます。
とっても素敵!
2014.07.02 Wed 22:33 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆とちちゃん
足のこと、毎度毎度ご心配いただきすみません。
なるべく負担にならないように、今はゆるく短い距離の場所を探しながらぼちぼちやっています。
お山の後、寝る前にシップしていると、翌朝が大分楽になりました。
この沢は八島湿原の水を一気に集めているので、ショボ沢の割には水量が多かったです。
水の力は見ていて気持ちいいほど勢いがあるね。
沢沿いに踏み跡があるので、地形図見ながらのハイキングも楽しそうなエリアでした。
足のこと、毎度毎度ご心配いただきすみません。
なるべく負担にならないように、今はゆるく短い距離の場所を探しながらぼちぼちやっています。
お山の後、寝る前にシップしていると、翌朝が大分楽になりました。
この沢は八島湿原の水を一気に集めているので、ショボ沢の割には水量が多かったです。
水の力は見ていて気持ちいいほど勢いがあるね。
沢沿いに踏み跡があるので、地形図見ながらのハイキングも楽しそうなエリアでした。
>最初の写真 - 河童
tochiko
いやいや私はスローシャッターに脱帽!
三脚持って入ったん?
良い沢を美人に演出している
ぜぜちゃん素敵(^o^)
いやいや私はスローシャッターに脱帽!
三脚持って入ったん?
良い沢を美人に演出している
ぜぜちゃん素敵(^o^)
2014.07.03 Thu 04:37 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆河童ちゃん
どもども
沢というかお山もですが、カメラはいつも手持ちです。
最近のカメラは性能がいいですね。
沢も厳しいとこだけじゃなく、のんびりハイクできるところもあるので
奥行きが深いです。
どもども
沢というかお山もですが、カメラはいつも手持ちです。
最近のカメラは性能がいいですね。
沢も厳しいとこだけじゃなく、のんびりハイクできるところもあるので
奥行きが深いです。
- 監督
随分ご無沙汰してますが、ちょっと覗いたら最初の写真のあまりの美しさに息を呑みました。八島湿原は昨年行ったところなので、観音沢の位置もあらためて地図で確かめましたが、ほんとにこんなのよく見つけられるもんですね。私はまったく沢の技術がないので、滝が出てこないこの沢で充分、きっと大満足でいくら歩いても飽きなかったろうと思います。
2014.07.09 Wed 17:34 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆監督さん
こちらこそご無沙汰してます。今は日本なのかなあ?
最近は厳しい滝場ばかりが沢じゃないなあと。
水の流れの清らかさ、苔の美しさ。。。
山から平野、そして海、空、そしてまた山へ。。。
水の循環はすばらしいです。
のんびり沢をたどる、流れに逆らう自分は無力かもしれないけれど、
ちょっとだけ(自然に)向かっている自分も感じます。
こちらこそご無沙汰してます。今は日本なのかなあ?
最近は厳しい滝場ばかりが沢じゃないなあと。
水の流れの清らかさ、苔の美しさ。。。
山から平野、そして海、空、そしてまた山へ。。。
水の循環はすばらしいです。
のんびり沢をたどる、流れに逆らう自分は無力かもしれないけれど、
ちょっとだけ(自然に)向かっている自分も感じます。
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