八ヶ岳、天狗岳
2014.05.01
もう引き返してしまおうか。。。という気持ちが何度も頭をよぎる。
雪は積雪期に比べたら大分汚れてしまっているし、気温はぐんぐんあがってきているみたいで
ハードシェルを脱いてもぼたぼたと汗が滴り落ちる。
後続の人達からはどんどんと抜かされて、私なんかただの路傍のじゃまな大石と化している。
が、もう帰ると伝えたい相方には一向に追いつかない。
まさか、黙って下るわけにもいかないよなあ。。。などと一人ぶつぶつと呟きながら登っていくわけで、
そうするとまあ、相方が絶妙な場所で待ち構えていた。
相方が待っていた場所は展望台であった。
退屈で長い樹林帯からやっと開放されて、目の前にはちょこんと赤岳や阿弥陀岳が顔を出す。
こういう時は、やはり一気にテンションが上がるわけで、いままでの憂鬱な気分からも開放される。
後ほど山頂で相方から「帰るって言うかと思ったよ」と言われたけれど、
ああ、こういう気持って伝わるものなんだなあと不思議だった。
実際、相方に会ったら「もう下る」って言おうと思ったけど、この展望で気が変わった。
お山にはほんとに見えない力が宿っているものだ。

展望台より クリックでウェブアルバムにリンクします

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雪は積雪期に比べたら大分汚れてしまっているし、気温はぐんぐんあがってきているみたいで
ハードシェルを脱いてもぼたぼたと汗が滴り落ちる。
後続の人達からはどんどんと抜かされて、私なんかただの路傍のじゃまな大石と化している。
が、もう帰ると伝えたい相方には一向に追いつかない。
まさか、黙って下るわけにもいかないよなあ。。。などと一人ぶつぶつと呟きながら登っていくわけで、
そうするとまあ、相方が絶妙な場所で待ち構えていた。
相方が待っていた場所は展望台であった。
退屈で長い樹林帯からやっと開放されて、目の前にはちょこんと赤岳や阿弥陀岳が顔を出す。
こういう時は、やはり一気にテンションが上がるわけで、いままでの憂鬱な気分からも開放される。
後ほど山頂で相方から「帰るって言うかと思ったよ」と言われたけれど、
ああ、こういう気持って伝わるものなんだなあと不思議だった。
実際、相方に会ったら「もう下る」って言おうと思ったけど、この展望で気が変わった。
お山にはほんとに見えない力が宿っているものだ。

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2014.4.27(日)
場所:長野県八ヶ岳、西天狗岳(2645.8m)東天狗岳(2645m)(標高差約800m)
形態:残雪期ハイク
メンバー:相方、長男、ぜいぜい
コースタイム:自宅3:30~<車>~道の駅小淵沢5:35/6:10~唐沢鉱泉P6:45/7:15~
展望台9:10/9:35(長男8:30、相方8:40)~西天狗岳11:15/11:35~東天狗岳12:00/12:10~
天狗の奥庭13:05/13:10~黒百合平13:20/13:30~唐沢鉱泉分岐14:00~唐沢鉱泉P15:00
唐沢鉱泉は冬季休業から4/26、今年度の営業が始まったようで、
唐沢鉱泉までの道すがらにもう雪はありません。
橋を渡って登山口に取り付こうとするといきなり氷化してつるつるで、ここからアイゼンを装着します。
その間に長男と相方は先に行ってしまいます。
どうしてこういきなり姿が見えなくなるほど離れてしまうんだろうと、
ちょっと憮然としますがまあいつものことです。
写真を撮る気も起きない単調で暗いシラビソやトウヒの森を黙々と登っていきます。
雪は締まっているので、踏抜きもなく快適なはずなのですが、
気温の上昇とともに立ち止まって休む回数がドンドンと増えていきます。
心なしか空が近く感じてくると、そこは「枯尾の峰」との分岐でした。
まだ泣き言の出るほどろくに歩いていないはずなのに、汗が顔から滴り落ちます。
一人だから辛いのか、暑いから辛いのか、ほんとに帰りたくなってしまいます。
その後も何度か森の中から空が近づいてきますが、その度に騙されて、なかなか展望台にたどり着きません。
ふいに樹林帯を抜けると、ハイマツに覆われた展望台に相方が待っていました。
絶対にいないと思っていたので、あたりの風景とも相まってちょっとうれしいです。
相当シャリバテ気味だったので、ここでパンをかじります。
途中抜かしていった人に相方は私のことを聞いたようですが、
その聞き方が「歩いてましたか?」だって。ちょっと失礼なですよね。
お腹もくちくなったので、ほんとうに元気が出てきました。
ここからの稜線歩きでは、ミニ雪庇な所やルートもちょっと錯綜していますが、狭い稜線なので
迷うほどではありません。
最後のポコから見上げる西天狗岳は巨岩をまとってとても威圧的です。


クリックOK
累々と巨岩が横たわる中を、雪道を選びながらルートをたどります。
ダブルストックで登ってしまったので、途中少しだけピッケルが欲しいと思った急斜面もありましたが、
大方安全に登っていけます。
山頂直下で雪が消えますが、時々現れる雪に踏ん切りがつかず、アイゼンを岩にガチガチ言わせて登りました。
思えばこのルートは初めて八ヶ岳を縦走した記念の場所で、高1、中1、小4の子供たちと
唐沢鉱泉~天狗~根石~硫黄~横~赤~美濃戸口と縦走した第一歩を踏み出したルートでした。
風雨の西尾根を黙々と登り、硫黄岳を目指したことが、つい昨日のようで懐かしくもあります。


西尾根からの西天狗岳は巨岩の険しい急登ですが、たどりついた山頂はなだらかに弧を描くやさしいものでした。
ハイマツの実でしょうか。ベンガラのように雪に色をつけて、道しるべにも春を告げているようにも見えました。
お日様のぬくもりや雪の変化に、肌で季節を感じ、目で確かめ、次の季節への思いも馳せます。
ザクザクと斜面を下って次は東天狗岳に向かいます。
こちらも賑やかな山頂で、前回はなかった根石岳へのトレースもばっちりです。
東天狗岳
西天狗岳
さて東天狗岳から黒百合平に下るときに、ちょっと怖い思いをしました。
岩峰の巻き道で踏み跡通りに辿っていくと、靴幅2/3位しかない雪付きのトラバースが2箇所程あります。
先行者もこちらを行かれたので、ついて行きましたが、ありえない狭さだし、ややハングしてるし、
ホールドも細かいしおかしいなあと思いつつ、なんとか越えましたが、
後ほど自宅で子供が撮った写真で確認してみたら、数m下に安全な巻き道が見えました。
なんとか越えられましたが、よく確認しないといけないですね。

黒百合平まではまだ行ったことのない天狗の奥庭ルートを取りました。
正面中山のてっぺんには、形のいい雲がぷかりと浮いています。
見晴らしの良い雪原を越え、スリバチ池の上にたどり着きます。

ここからの両天狗岳の勇姿は素晴らしく、スリバチ池も氷が溶け出して、青くあやしい色合いがすてきです。

一息で黒百合ヒュッテに下って、ここでトイレ(200円)を借ります。
だらだらと長い樹林帯を下っていきます。唐沢鉱泉への分岐を左に向かい、
沢型まで下り木橋を渡ってトラバースに入り、唐沢が見えてくると鉱泉はもうすぐです。
唐沢鉱泉に泊まりに来ている子供さんの声が対岸に聞こえてきます。親子でお散歩でしょうか。
車に着くと、2時間も前に着いていた長男が昼寝中でした。
***覚書き***
・唐沢鉱泉までは冬季は通行不可
・唐沢鉱泉駐車場は無料で、バイオトイレあり
・諏訪の縄文の湯は400円
・縄文の湯界隈はこの時期ソメイヨシノが満開でした

場所:長野県八ヶ岳、西天狗岳(2645.8m)東天狗岳(2645m)(標高差約800m)
形態:残雪期ハイク
メンバー:相方、長男、ぜいぜい
コースタイム:自宅3:30~<車>~道の駅小淵沢5:35/6:10~唐沢鉱泉P6:45/7:15~
展望台9:10/9:35(長男8:30、相方8:40)~西天狗岳11:15/11:35~東天狗岳12:00/12:10~
天狗の奥庭13:05/13:10~黒百合平13:20/13:30~唐沢鉱泉分岐14:00~唐沢鉱泉P15:00
唐沢鉱泉は冬季休業から4/26、今年度の営業が始まったようで、
唐沢鉱泉までの道すがらにもう雪はありません。
橋を渡って登山口に取り付こうとするといきなり氷化してつるつるで、ここからアイゼンを装着します。
その間に長男と相方は先に行ってしまいます。
どうしてこういきなり姿が見えなくなるほど離れてしまうんだろうと、
ちょっと憮然としますがまあいつものことです。
写真を撮る気も起きない単調で暗いシラビソやトウヒの森を黙々と登っていきます。
雪は締まっているので、踏抜きもなく快適なはずなのですが、
気温の上昇とともに立ち止まって休む回数がドンドンと増えていきます。
心なしか空が近く感じてくると、そこは「枯尾の峰」との分岐でした。
まだ泣き言の出るほどろくに歩いていないはずなのに、汗が顔から滴り落ちます。
一人だから辛いのか、暑いから辛いのか、ほんとに帰りたくなってしまいます。
その後も何度か森の中から空が近づいてきますが、その度に騙されて、なかなか展望台にたどり着きません。
ふいに樹林帯を抜けると、ハイマツに覆われた展望台に相方が待っていました。
絶対にいないと思っていたので、あたりの風景とも相まってちょっとうれしいです。
相当シャリバテ気味だったので、ここでパンをかじります。
途中抜かしていった人に相方は私のことを聞いたようですが、
その聞き方が「歩いてましたか?」だって。ちょっと失礼なですよね。
お腹もくちくなったので、ほんとうに元気が出てきました。
ここからの稜線歩きでは、ミニ雪庇な所やルートもちょっと錯綜していますが、狭い稜線なので
迷うほどではありません。
最後のポコから見上げる西天狗岳は巨岩をまとってとても威圧的です。



クリックOK
累々と巨岩が横たわる中を、雪道を選びながらルートをたどります。
ダブルストックで登ってしまったので、途中少しだけピッケルが欲しいと思った急斜面もありましたが、
大方安全に登っていけます。
山頂直下で雪が消えますが、時々現れる雪に踏ん切りがつかず、アイゼンを岩にガチガチ言わせて登りました。
思えばこのルートは初めて八ヶ岳を縦走した記念の場所で、高1、中1、小4の子供たちと
唐沢鉱泉~天狗~根石~硫黄~横~赤~美濃戸口と縦走した第一歩を踏み出したルートでした。
風雨の西尾根を黙々と登り、硫黄岳を目指したことが、つい昨日のようで懐かしくもあります。



西尾根からの西天狗岳は巨岩の険しい急登ですが、たどりついた山頂はなだらかに弧を描くやさしいものでした。
ハイマツの実でしょうか。ベンガラのように雪に色をつけて、道しるべにも春を告げているようにも見えました。
お日様のぬくもりや雪の変化に、肌で季節を感じ、目で確かめ、次の季節への思いも馳せます。
ザクザクと斜面を下って次は東天狗岳に向かいます。
こちらも賑やかな山頂で、前回はなかった根石岳へのトレースもばっちりです。

西天狗岳

さて東天狗岳から黒百合平に下るときに、ちょっと怖い思いをしました。
岩峰の巻き道で踏み跡通りに辿っていくと、靴幅2/3位しかない雪付きのトラバースが2箇所程あります。
先行者もこちらを行かれたので、ついて行きましたが、ありえない狭さだし、ややハングしてるし、
ホールドも細かいしおかしいなあと思いつつ、なんとか越えましたが、
後ほど自宅で子供が撮った写真で確認してみたら、数m下に安全な巻き道が見えました。
なんとか越えられましたが、よく確認しないといけないですね。

黒百合平まではまだ行ったことのない天狗の奥庭ルートを取りました。
正面中山のてっぺんには、形のいい雲がぷかりと浮いています。
見晴らしの良い雪原を越え、スリバチ池の上にたどり着きます。


ここからの両天狗岳の勇姿は素晴らしく、スリバチ池も氷が溶け出して、青くあやしい色合いがすてきです。

一息で黒百合ヒュッテに下って、ここでトイレ(200円)を借ります。
だらだらと長い樹林帯を下っていきます。唐沢鉱泉への分岐を左に向かい、
沢型まで下り木橋を渡ってトラバースに入り、唐沢が見えてくると鉱泉はもうすぐです。
唐沢鉱泉に泊まりに来ている子供さんの声が対岸に聞こえてきます。親子でお散歩でしょうか。
車に着くと、2時間も前に着いていた長男が昼寝中でした。
***覚書き***
・唐沢鉱泉までは冬季は通行不可
・唐沢鉱泉駐車場は無料で、バイオトイレあり
・諏訪の縄文の湯は400円
・縄文の湯界隈はこの時期ソメイヨシノが満開でした
Comment
- まきくま
ぜいぜいさん
よくがんばりましたあ。GWの山ってけっこう暑いとつらいよね。でもいい景色だこと。
時間差でもなんでも一緒に登れていいなあ。
うちなんて、ほんと、ぜんぜんだもん。
景色のいいお山が恋しいっす。
よくがんばりましたあ。GWの山ってけっこう暑いとつらいよね。でもいい景色だこと。
時間差でもなんでも一緒に登れていいなあ。
うちなんて、ほんと、ぜんぜんだもん。
景色のいいお山が恋しいっす。
2014.05.04 Sun 00:45 URL [ Edit ]
- 坂月沢蚊
雪山良いですね。
疲れた後のビューポイントには確かに力がありますね。
疲れた後のビューポイントには確かに力がありますね。
- ぜいぜい
☆まっきー
出会える風景はすばらしいのに、頑張れない自分がほんとに歯がゆいです。。。
うちも沢も雪山もやだって、何年も拒否されてたんだよ~
でも、ちょっとづつこんなイイトコがあるんだよ~って教育してたら
今じゃ、相方が率先して計画練るし、だんだん私がついてけなくなってます。
外堀から埋めてきましょう、がんば!
☆坂月沢蚊さん
年々根性がなくなっていく私なので、雪の大展望もあと数年で見納めかもしれません。
それだからこそ、大切に心に収めたい風景ですね。
出会える風景はすばらしいのに、頑張れない自分がほんとに歯がゆいです。。。
うちも沢も雪山もやだって、何年も拒否されてたんだよ~
でも、ちょっとづつこんなイイトコがあるんだよ~って教育してたら
今じゃ、相方が率先して計画練るし、だんだん私がついてけなくなってます。
外堀から埋めてきましょう、がんば!
☆坂月沢蚊さん
年々根性がなくなっていく私なので、雪の大展望もあと数年で見納めかもしれません。
それだからこそ、大切に心に収めたい風景ですね。
- ろび
さすがの相方さんやね
ポイントを押さえてるってか、ぜぜさんを知り尽くしてる(爆
初めて八ヶ岳を縦走した記念の場所をまた年月を経て訪れたりすると 感無量・・・
いろんなシーンが蘇ってくるよね。
私にとってどこだろう?なんて考えてしまいました。
天狗の奥庭は雪があるときの方が多少歩きやすいかもね。
ポイントを押さえてるってか、ぜぜさんを知り尽くしてる(爆
初めて八ヶ岳を縦走した記念の場所をまた年月を経て訪れたりすると 感無量・・・
いろんなシーンが蘇ってくるよね。
私にとってどこだろう?なんて考えてしまいました。
天狗の奥庭は雪があるときの方が多少歩きやすいかもね。
2014.05.08 Thu 12:55 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆ろびさん
なんかポイントおさえすぎだろ~ですねん
親子で八ヶ岳縦走なんて思ってもいなかったのが実現して、当時はほんとにうれしかったです。
奥庭も初めていったけど、いい所だね~確かに雪付きの方が絵になるね。
なんかポイントおさえすぎだろ~ですねん
親子で八ヶ岳縦走なんて思ってもいなかったのが実現して、当時はほんとにうれしかったです。
奥庭も初めていったけど、いい所だね~確かに雪付きの方が絵になるね。
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