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日々のぜいぜい

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雲竜渓谷

2014.01.18
日光連山は火山群から成り立っている山塊で、おのずとお山はもろい地質を留めるのが難しく
多くの薙を形成している。
いろは坂を下って来る時に、その多くの砂防堰堤群には度肝をぬかれ、
その山の地名にも、古くから土石流と戦って来ただろうことは、容易に想像がつく。

今回辿った稲荷川もその上流に「大鹿落し」と命名された大崩落群を有しており、
常に崩落から発生する多量の土砂を排している。
過去に大きな災害をもたらした稲荷川は、右岸下流域に今は世界遺産である日光東照宮があり、
それだからこそ、この二社一寺と流域住民を守るため、大正時代より国家事業として
多くの砂防事業を行ってきた歴史の流域でもあります。
現在残されているいくつかの砂防堰堤群は国の登録有形文化財に指定されて、
今もなお日光を守り続けています。

このようなあらぶる地になぜ家康は遺言して東照宮を勧請したのかなと、
もちろん江戸を守る不動の北辰(北極星)の位置ということなのだろうけど、
鬼怒川からやがて関東を潤す利根川の源流域ということを考える時、
山を守り、水を守るこの地に鎮座することは、とてもうがった場所なのだなあと、ひとりごちたのです。
そしてやはり、神はあらぶる場所に鎮座するものなのだなと。

P1130102.jpg

日向砂防堰堤、大正14年7月より工事が開始され数度の嵩上げを経て現代に至ります、
クリックでウェブアルバムにリンクします



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2014.1.13(月

場所:鬼怒川流域、稲荷川上流部雲竜渓谷
形態:積雪期渓流ハイク
メンバー:相方、ぜいぜい

そんな暴れ川の中にあって、奇跡のように美しい雲竜渓谷に行ってきました。
ここを知ったのは井上ウッドさんのレポ、なんて素晴らしいところだろうと感嘆しましたが、
2年の時を経て訪問することができました。

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前日の宿泊地、「道の駅湧水の郷しおや」よりR461~日光街道へと走り継いでいきます。
神橋を渡って右折、稲荷川右岸の狭い林道を登っていきます。
ゲート前の駐車スペースが満車だったら、路面状況はと心配気味に林道をたどりますが、
遅い時間の割には、駐車スペースは3台目、林道も凍結なしとラッキーでした。

駐車スペースからは左の林道に入ります。
しばらくで路面凍結していますが、路肩部分を歩いてなんとかしのぎます。
林道が標高を上げてやがて傾斜が緩んでくると、右手にもう1本林道を分けます。
ゆるい林道を左に進むと、洞門岩の入口に到着します。
ここから沢に入っていきます。

P1130101-002.jpg P1130802.jpg

沢沿いを踏み跡に従ってどんどん進むと、滝場とその奥に手積みの堰堤に阻まれます。
さて、巻き道を探すと、すぐ右手に踏み跡がありますが、まあ途中で切れています。
その上は脆い土砂で、蔓をつかもうものなら一気に崩落しそうで、ほんとにここ?と半信半疑です。
やはりどう考えても無理なので、しかたない林道に戻りましょうと、
また沢を下って行くと、左岸の尾根の突端に踏み跡を見つけました。
ああ、林道まで戻らなくてよかったです。ここでアイゼンを装着します。
踏み跡は急ですが、特に困難なこともなく尾根を辿って、また沢に復帰できました。
下ってみれば、堰堤はとても越せるものではなく、ほんとに変なとこ突っ込まなくてよかったです。

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沢を少し進むと右岸の岩っぽい所を越え、
また、右岸の尾根を登って行くと、雲竜渓谷入口の広場にたどり着きました。

P1130111.jpg P1130112.jpg

う~ここまでが迷ったり何だりで長かった。。。
やっと氷の殿堂に降り立ちます。
危ういスノーブリッジ風を越えたりと何度か渡渉したり、へつり気味に沢を辿ると、

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ブルーに輝く、美しい氷の芸術に中々前に進むことができません。

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そうして、ハイキングコースでは最奥の雲竜瀑に着くのですが、
まだ発達が遅くて中は水が流れてしまってます。
やや急な左岸巻き道から落ち口に行けるのですが、戻ってきた人が、水がじゃんじゃん掛かってしまうので
メットがあればいいけれど。。。な状態らしいです。
もこもこの状態ではなさそうなので、今回は滝壺はいいやと、スルーしてしまいました。

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名残惜しいけれど戻ることにいたします。
まあ、戻る時も、足がちっとも進まないんですが。
ここも、つららが刺さらないポジションを探して撮影タイムです。

P1130857-001.jpg P1130165-001.jpg

下山は沢コースは取らずすべて林道で帰りました。
ガチガチに凍っているので、安全のため下りも途中までアイゼン装着しました。

圧倒的な氷の殿堂には、ただただため息でした、さあて、次はスッカン沢???

***覚書き***
・温泉は「やしおの湯」(500円)でした、相変わらずここは混みます
・ゲート前の駐車場は満車だと、瀧尾神社Pからの歩きになります
・沢の渡渉にはストックがあるとバランスがいいです


***コースタイム***
道の駅湧水の郷しおや7:30~~林道ゲート前P8:15/8:25~洞門岩9:45~雲竜渓谷入口11:00~
雲竜瀑まで散策~雲竜渓谷入口12:00~林道ゲート前P14:00
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Comment

エンテイ情報ありがとうございます - TI-AEKもうすぐ29

ぜ師

いつも格調高い記事をありがとうございます。
アマチュア堰堤観察家のTI-AEKもうすぐ29と申します。

「日向砂防堰堤」嵩上げ写真、感激でございます。
丹沢地区の内務省エンテイは蒲孚(かば まこと)技師の
指揮によるものが多いことを確認しておりますが、
その蒲技師が山梨県日川の次に赴任したのが当地であり、
http://www.jsce.or.jp/library/open/proc/maglist2/00034/15-12.html
それが大正12年の大震災以降、急遽丹沢地区に転任し、
丹沢の幾多の内務省系大エンテイ工事を指揮したっぽい
のでございます。
丹沢のエンテイ考究上、当地はぜひとも観察すべきでありました。
実は一度訪問を試みたのでありますが、前泊した
「日光沢温泉」の露天風呂があまりにもぬるく、
風邪を引いたため撤退しております。

当地のエンテイたちも嵩上げされつつ、なおも存続
していることを伺いまして、喜んでおります次第です。
ありがとうございます。

常日頃は遥か末席から仰ぎ拝見しておりますが、
エンテイと伺いましておずおずとしゃしゃり出ましたこと
何とぞお許し願います<(_ _)>
2014.01.19 Sun 00:39 URL [ Edit ]

- ぜいぜい

☆ TI博士
こんな離れ家までまあよくぞお運び頂きました。とりあえず、お茶でも。
稲荷川と丹沢は、蒲孚(かば まこと)技師つながりでございましたか。
当方不勉強でございました。
かの日光の地も、丹沢と通ずる、崩、滑っぷりでありまして、
それゆえの巨大堰堤っぷりは、目を見張るものでございました。
沢中下流域がコンクリートで固められた堰堤も、上流部から見ますと、
見事な積みっぷりでございます。
遊歩道にて、登録有形文化財である数基の堰堤群をじく~りと観察できるようですので、
ぜひ、再訪を。
私は丹沢ではあまり見たことがない、本床固なるしろものもございますゆえ。

あとは余談でございますが、
新潟県岩原スキー場から大源太川の上流域にある大源太湖(キャニオン)には、
それをせき止めているアーチ式砂防堰堤がございます。
昭和14年竣工の我が国初のアーチ式砂防堰堤で登録有形文化財でございます。
美しくカーブを描く石積みは一見の価値ありでございました。
こちらも内務省直轄事業でございます。
2014.01.19 Sun 23:28 URL [ Edit ]

- 井上ウッド

なんか、ありがとうございます!笑
雲竜ですね~。
あの迷う地点はどうしても迷うんですよね~。いつもトレースついちゃうんで。
今年は特に雪が少ないです。今日吹雪いたらしいのでちょっとは良くなってるかな?といったところですかね。

ちなみに、来週から滝尾神社から先の道路工事が始まるようで、車両通行止めの予定らしく、今年は自動的に滝尾神社からのハイクアップになるみたい・・・一気に行く気が失せました。。。笑
2014.01.20 Mon 00:40 URL [ Edit ]

- ぜいぜい

☆ウッドさん
いいえ、どういたしまして!笑
雲竜、迷いポイントはいくつかありましたね~
林道ゲートのところも、案内板みると右に行きそうだし
途中緩やかになった所にある林道も
右には踏み跡あるけど、直進の方は、ガチガチに凍っていて踏み跡が付いてないんですよね。
結構悩みました。

道路工事になるんですかあ、路肩に木枠で準備してあったので、
コンクリートでも敷き直すのかなあって思っていました。
なんか、グッドタイミングだった。。。
滝尾神社から歩くとなると、林道長いですもんね~

あ、でもテン泊装備のお兄さんを、温泉の帰りに神橋で見かけたから
駅まで歩きだったみたいです~すごかあ
2014.01.20 Mon 10:14 URL [ Edit ]

しばれるねぇ~。 - 河童

 今年は四国も大雪です。
しかしいい氷瀑ですね!
日本は水の国。生まれて良かった(^o^)

 八方に音捨ててゐる冬の滝 飯田龍太
2014.01.20 Mon 21:24 URL [ Edit ]

- ぜいぜい

☆河童ちゃん
今年は、あっちこっちの滝が結構氷瀑しているようで、ニュースでもやっていました。
水がつくりだすものは、ほんとにすばらしいね!
2014.01.20 Mon 22:24 URL [ Edit ]

- まきくま

なになに、これって、流れの中じゃなく、普通に歩いていくの?アイゼンあれば、行けるの?
すばらしいね。いつか、挑戦してみたい。こんな、光景みてみたい〜
2014.01.20 Mon 22:54 URL [ Edit ]

- ぜいぜい

☆まっきー
そうだよそうだよ、アイゼンとストックさえあれば、普通に氷の上を歩いていけるんだっよ。
心配だったら、オール林道歩きでも行けるから。
ちょっと分かりづらい地図だけど、昭文社の日光の地図に破線で出ていますよ~
ほんとに素敵な場所なので、お勧めだよ~
2014.01.21 Tue 10:27 URL [ Edit ]

- きぬ

>ブルーに輝く、美しい氷の芸術
ほんとにそうですねえ、拡大してみると迫力あります。
でも、つららが尖がってて、ちょっとドキドキ。
2014.01.26 Sun 23:23 URL [ Edit ]

- ぜいぜい

☆きぬさん
きれいなんですよ~ここ!
雪や氷の白さや透明感は人を魅了しますね。
2014.01.27 Mon 22:13 URL [ Edit ]

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