屋久島 2013.6 山行2日目、3日目
2013.06.11
高塚小屋の森は天高く伸びて、私達を送り出す。
気遣いなく先に行ってくれていいと願うが、曲がり角のその先で友は待つ。
「あなたはもののけの木霊ですか?」
新高塚小屋のその先で、森が牙をむく。
倒れたばかりのその生々しい倒木は、この先に分け入ることを拒むように道を塞ぐ。
藪を漕ぎ、泥にまみれて、その先の登山道はまぶしい。

やがて平石、稜線の風は冷たく、花も私も冷たく萎れる。
「だめなのかな、今日は受け入れてくれないのかな」お山に問うてもお山は答えない。



焼野三叉路より永田岳に踏み入る。
一つまた一つとシャクナゲのぼんぼりが雨の中にぼおっと明かりを灯すように浮かぶ。
それは稜線を覆い、谷を埋め、歓喜の歌となって響き渡る。

ありがとうありがとう、嬉しくてただただ「すごいよ」としか言えない。
2つのピークを越えて3つ目が奇妙な岩をどんと据えた永田岳。

そして奇跡のように、永田のいなか浜から、海に浮かぶ口永良部島までも一瞬の風景を写した。
この谷が、永田川の河口までの一筋に続く川の道であることを、しかと見据えることができた。

目を転ずれば、宮之浦岳と黒味岳の奥岳が空に浮かんだ。

鹿之沢小屋へと悪路をズンズンと下りながら、ローソク岩、それに並ぶ奇岩があたりをへいげいする。

こちらの圧倒的なシャクナゲにくらくらさせられながら、


悪路をやっとの思いで鹿之沢小屋にたどり着く。
お山に囲まれ、源流の水場を持ったお伽話の中に出てきそうな小さな小屋だった。
ここではわずかな人たちと、テント組の静かな夕べとなった。

夜半、雨と風が鋭く小屋の屋根を叩く。
明け方までもその風雨は弱まることがなかった。
静岡の山岳会の方々は、スリングで簡易ハーネスを作り、ザイル装備で風雨をついて宮之浦岳へと出立していった。
「だめだったら戻ってくるから」と
私達は、ここで1日停滞を決め込んだ。
山行日数のない私はここで奥岳への夢は潰える。
友は悩んでいるようだったが、お天気次第で決行するようだった。
午後からお天気が持ち直し、静岡の山岳会の方々も戻って来なかったので、無事縦走されたのだろう。
新たな小屋メンバーも加わって、3日目もまた、静かに終わっていった。
[2日目]6/5(水)
高塚小屋7:30~新高塚小屋9:00/9:15~登山道崩壊場所9:35~平石11:30~焼野三叉路12:05~
永田岳直下13:25~ローソク岩展望台14:10~鹿之沢小屋14:45
(永田岳直下からは登山道が荒れているので、登山地図のCTは厳しめと思います)
[3日目]6/6(木)
停滞
[1日目] [4日目]
気遣いなく先に行ってくれていいと願うが、曲がり角のその先で友は待つ。
「あなたはもののけの木霊ですか?」
新高塚小屋のその先で、森が牙をむく。
倒れたばかりのその生々しい倒木は、この先に分け入ることを拒むように道を塞ぐ。
藪を漕ぎ、泥にまみれて、その先の登山道はまぶしい。

やがて平石、稜線の風は冷たく、花も私も冷たく萎れる。
「だめなのかな、今日は受け入れてくれないのかな」お山に問うてもお山は答えない。






焼野三叉路より永田岳に踏み入る。
一つまた一つとシャクナゲのぼんぼりが雨の中にぼおっと明かりを灯すように浮かぶ。
それは稜線を覆い、谷を埋め、歓喜の歌となって響き渡る。

ありがとうありがとう、嬉しくてただただ「すごいよ」としか言えない。
2つのピークを越えて3つ目が奇妙な岩をどんと据えた永田岳。


そして奇跡のように、永田のいなか浜から、海に浮かぶ口永良部島までも一瞬の風景を写した。
この谷が、永田川の河口までの一筋に続く川の道であることを、しかと見据えることができた。

目を転ずれば、宮之浦岳と黒味岳の奥岳が空に浮かんだ。


鹿之沢小屋へと悪路をズンズンと下りながら、ローソク岩、それに並ぶ奇岩があたりをへいげいする。


こちらの圧倒的なシャクナゲにくらくらさせられながら、



悪路をやっとの思いで鹿之沢小屋にたどり着く。
お山に囲まれ、源流の水場を持ったお伽話の中に出てきそうな小さな小屋だった。
ここではわずかな人たちと、テント組の静かな夕べとなった。


夜半、雨と風が鋭く小屋の屋根を叩く。
明け方までもその風雨は弱まることがなかった。
静岡の山岳会の方々は、スリングで簡易ハーネスを作り、ザイル装備で風雨をついて宮之浦岳へと出立していった。
「だめだったら戻ってくるから」と
私達は、ここで1日停滞を決め込んだ。
山行日数のない私はここで奥岳への夢は潰える。
友は悩んでいるようだったが、お天気次第で決行するようだった。
午後からお天気が持ち直し、静岡の山岳会の方々も戻って来なかったので、無事縦走されたのだろう。
新たな小屋メンバーも加わって、3日目もまた、静かに終わっていった。
[2日目]6/5(水)

高塚小屋7:30~新高塚小屋9:00/9:15~登山道崩壊場所9:35~平石11:30~焼野三叉路12:05~
永田岳直下13:25~ローソク岩展望台14:10~鹿之沢小屋14:45
(永田岳直下からは登山道が荒れているので、登山地図のCTは厳しめと思います)
[3日目]6/6(木)

停滞
[1日目] [4日目]
Comment
自然からの贈り物 - 岐阜ぺんぎん
ソフトフォーカス 良い感じ
お手製の カメラ用レインコートが役に立ったようですね
途中充電出来ないから 予備電池を持っていったのかな?
こんな日はソーラー充電出来ないから
お手製の カメラ用レインコートが役に立ったようですね
途中充電出来ないから 予備電池を持っていったのかな?
こんな日はソーラー充電出来ないから
2013.06.11 Tue 15:39 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆岐阜ぺんぎんさん
えっと、ソフトフォーカス 、レンズについたくもりだったりします。
レインコートは屋久島では結構きびしかったです。。。
一旦濡れるとカメラバックに一緒にしまえないので、
結局、カメラバックにレインコートつけておきました。
霧くらいならなんとかなるのにね、雨がザーザーはレインコートもお手上げでした。
えっと、ソフトフォーカス 、レンズについたくもりだったりします。
レインコートは屋久島では結構きびしかったです。。。
一旦濡れるとカメラバックに一緒にしまえないので、
結局、カメラバックにレインコートつけておきました。
霧くらいならなんとかなるのにね、雨がザーザーはレインコートもお手上げでした。
2013.06.11 Tue 16:46 URL [ Edit ]
- おくがけど
永田岳も奥岳なんですけどw
いや~マジで宮之浦岳よりも断然が付くぐらい、こっちの方がいいよ。しげぞうさんも言ってたような気がします。
一瞬だけど永田浜やローソク岩も見えたんだ。
10分ぐらい見えてた私が言うのもなんだけど、よかったね。
いや~マジで宮之浦岳よりも断然が付くぐらい、こっちの方がいいよ。しげぞうさんも言ってたような気がします。
一瞬だけど永田浜やローソク岩も見えたんだ。
10分ぐらい見えてた私が言うのもなんだけど、よかったね。
2013.06.11 Tue 18:33 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆おくがけちゃん
そんなん知っとるわい
永田岳の山頂もスル~してるのよ。明日登るからいいやって。。。
私ってどこまでも不運なの。。。
ほんとに一歩永田岳方面に入った風景は、雨であってもしびれました。
おくがけちゃんが何度も行く気持ちよくわかるわ~
そんなん知っとるわい
永田岳の山頂もスル~してるのよ。明日登るからいいやって。。。
私ってどこまでも不運なの。。。
ほんとに一歩永田岳方面に入った風景は、雨であってもしびれました。
おくがけちゃんが何度も行く気持ちよくわかるわ~
- ろび
モヤった景色や 日陰の道でも
よーく写真撮れてるね。
きっと私だったらブレブレだろうな
あのシャクナゲの斜面を自分の目でみてみたい。
んで、ガスが切れて景色が目前にあらわれた時の
感動ったらなかったでしょう
よかったねー
こんな梅雨の時期なのに屋久島の神様にご褒美もらったね
よーく写真撮れてるね。
きっと私だったらブレブレだろうな
あのシャクナゲの斜面を自分の目でみてみたい。
んで、ガスが切れて景色が目前にあらわれた時の
感動ったらなかったでしょう
よかったねー
こんな梅雨の時期なのに屋久島の神様にご褒美もらったね
2013.06.11 Tue 21:57 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆ろびさん
もうね、カメラが死んじゃう寸前だったよ。。。
レンズの中まで曇っちゃってどうしようかと思ったけど
なんとか一晩で曇りとれました。
シャクナゲはすごいよ、半端ないよ。
お山から見える海の風景もいいし、あ~島っていいなあと思えます。
もうね、カメラが死んじゃう寸前だったよ。。。
レンズの中まで曇っちゃってどうしようかと思ったけど
なんとか一晩で曇りとれました。
シャクナゲはすごいよ、半端ないよ。
お山から見える海の風景もいいし、あ~島っていいなあと思えます。
- 臆崖道
停滞後の翌日に期待(6/6は増水した七ツ渡しを撮ってきてほしかった)。
ちゃんとトイレに行けた?
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_a1.php?prec_no=88&block_no=0899&year=2013&month=6&day=&view=
ちゃんとトイレに行けた?

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_a1.php?prec_no=88&block_no=0899&year=2013&month=6&day=&view=
2013.06.11 Tue 23:49 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆おくがけちゃん
停滞日はね~トイレにいくちっこい沢もすごく増水してたから
七ツ渡しは相当のものだと思われ。。。見に行けばよかったかなあ。
トイレの道では、私ももう一人の人もハマったからね~
あのトイレはさ、結構ハエが多くて、私はいつも戸を開けて入ってたよ~
もう、おばたんはなんでもできるって感じ。。。
停滞日はね~トイレにいくちっこい沢もすごく増水してたから
七ツ渡しは相当のものだと思われ。。。見に行けばよかったかなあ。
トイレの道では、私ももう一人の人もハマったからね~
あのトイレはさ、結構ハエが多くて、私はいつも戸を開けて入ってたよ~
もう、おばたんはなんでもできるって感じ。。。
- おくがけど
鹿之沢トイレ扉開放は、私も同じ使い方です。
あと他の小屋も含めてチュー太郎は出てこんかった?
あと他の小屋も含めてチュー太郎は出てこんかった?
2013.06.12 Wed 10:03 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆おくがけちゃん
あのトイレで密室はね、ありえんよね。
高塚小屋ではいなかった(感じなかった)けど、鹿之沢小屋は夜日付が変わるあたりまで、チュー太郎の大運動会だったよ。
山岳会の人たちに習って、小屋の二階にテント張って、食材は入れておいたので被害なしでした。
一階のおにいさんは、シュラフまでチュー太郎が駆け回ってドッタンバッタンしてました。
ので、食材だけ私のテントに中に預かってあげましたよ。
私のテントの端っこも通り道なのかテントをバタバタ触られて中々寝付けなかったよ。
あのトイレで密室はね、ありえんよね。
高塚小屋ではいなかった(感じなかった)けど、鹿之沢小屋は夜日付が変わるあたりまで、チュー太郎の大運動会だったよ。
山岳会の人たちに習って、小屋の二階にテント張って、食材は入れておいたので被害なしでした。
一階のおにいさんは、シュラフまでチュー太郎が駆け回ってドッタンバッタンしてました。
ので、食材だけ私のテントに中に預かってあげましたよ。
私のテントの端っこも通り道なのかテントをバタバタ触られて中々寝付けなかったよ。
幽玄な世界ですね - 日向葵
ガスっていても様になりますね〜。そりゃ展望があった方が良いのでしょうが、それにしても素晴らしい景色ですね。石楠花がすごいなぁ〜。
2013.06.13 Thu 17:27 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆日向葵さん
ほんとにすばらしい所でした。シャクナゲをどうしても見たかったので
梅雨を承知のこの時期でした。
もうカメラが雨と霧で壊れる寸前。。。で。。。
ほんとにすばらしい所でした。シャクナゲをどうしても見たかったので
梅雨を承知のこの時期でした。
もうカメラが雨と霧で壊れる寸前。。。で。。。
- おネエ
限りある時間のなかで、必死で目に心にカメラに刻みこむ・・・
そんなぜいぜいさんの魂のようなものを感じます。
うん。。。素晴らしい!
そんなぜいぜいさんの魂のようなものを感じます。
うん。。。素晴らしい!
2013.06.13 Thu 22:04 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆おネエさん
この瞬間って、もう一期一会なんてもんじゃなくて刹那でした。
写真撮る人は強欲だと思います。。。自分を押さえられないの。
カメラ壊れてもいいやっていうくらい強欲にカメラに押さえたくなるの。。。
この瞬間って、もう一期一会なんてもんじゃなくて刹那でした。
写真撮る人は強欲だと思います。。。自分を押さえられないの。
カメラ壊れてもいいやっていうくらい強欲にカメラに押さえたくなるの。。。
- sanae
ぜいぜいさんは詩人ですね~
幽玄な風景とすごくマッチして素敵です。
石楠花ってこんなに咲いているんですね。
この時期もいいけど、やはり停滞しましたか!
我等もそうでした^^;
日程に余裕ないとダメですね(^^ゞ
幽玄な風景とすごくマッチして素敵です。
石楠花ってこんなに咲いているんですね。
この時期もいいけど、やはり停滞しましたか!
我等もそうでした^^;
日程に余裕ないとダメですね(^^ゞ
- ぜいぜい
☆sanaeさん
やはり停滞されましたかあ。雨が多いとどうしても無理できないですよね。
シャクナゲをぜひぜひ見たかったので、梅雨は織り込み済みでした。でも、もう少し晴れて欲しかったですね~
やはり停滞されましたかあ。雨が多いとどうしても無理できないですよね。
シャクナゲをぜひぜひ見たかったので、梅雨は織り込み済みでした。でも、もう少し晴れて欲しかったですね~
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