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日々のぜいぜい

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行者小屋より。。。

2013.02.12
2013.2.10(日) ~11(月) 

お山にも山男にも山女にも、いい意味でアテられた今回の山行でした。
自分たちのお山に対する気概が圧倒的に足りなかった。。。

世阿弥の残した「風姿花伝」の中に男時女時(おどきめどき)という言葉があります。
要約すれば、自分に勢いのある時は「男時」
相手に勢いのついてしまっている状態が「女時」です。

私たちはお山の圧倒的なパワーに一瞬たじろぎ、そしてその一瞬をお山に悟られてしまいます。
あちらに弱さを見せた時、それが小石一粒であっても、それはとてつもない大岩に豹変し、
私達を威圧し、撥ねのけます。

私達は、「男時」を自分たちに引き寄せられる状況をみすみす捨てて
「女時」に甘んじてしまったのです。

P1150216-001.jpg
この先から赤岳への文三郎尾根が始まる、クリックでウェブアルバムにリンクします


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今回も長男と美濃戸口の駐車場で待ち合わせです。
深夜に自宅を出て、5:10に到着しますが、それからしばらくで、駐車場は満杯となりました。
冬山の時期は早めに出ないと舟山十字路の時もそうでしたが、駐車場敗退になってしまいます。

八ヶ岳山荘脇の林道を、ぼおっとまっすっぐに行ってしまうと御小屋尾根なので、
美濃戸までは、左の林道ですから、朝暗いうちは注意です。

美濃戸までの車両の乗り入れは四駆でチェーン装着の注意書きがありますが、
そんな屈強なSUV車でも2台程スタックしていました。歩いても1時間程なので、「冬場は無理して入ることもないよね」
なんて言いながら行きますが、美濃戸の駐車場はけっこうな車で満杯状態です。

美濃戸で少し休憩して南沢より行者小屋を目指します。
足の速い長男からはとっくに引き離され、相方との距離も知らぬ間にどんどん離れていきますが、
まあ、何度も通った登山道ですから、特に不安なく一人でとぼとぼと歩いていきます。
ってか、最近ほとんどこのパターン。。。

P1150165.jpg
クリックで大きくなります

ダムを越え、沢を2回渡り、右岸尾根を二度ほど大きくトラバースすると、左岸へ
そして何度か左岸右岸と登山道はくりかえしながら、やがて左岸のオオシラビソの樹林帯へ導かれます。
登っているうちはいいのですが、この樹林帯に入ると、やや平坦な登山道が延々と続いて
それがじわじわダメージを与えて、何度も立ち止まってしまいます。
空もなく、単調な林のくりかえし。
本来森は大好きですが、今日という日はこの森が恨めしい。

なんとか気持ちを奮い立たせて登っていくと、やがて広い河原に出て、青空の向こうに大同心が姿を現します。

P1150176-003.jpg

その大同心は、さらに雲の大同心も従えて、2つの大同心がお出迎えです。
ありがたやありがたやな自然の心憎い演出です。

広い河原からもう一度樹林の中に入り、再度河原に出て左手に登って行くと、ふいに行者小屋に飛び出します。
先に着いていた長男と相方がもうテントを張り終えていました。
たいした行程ではないのに、私はもう疲労困ぱい。
相方も少し休ませてくれと、テントで昼寝を始めます。

外は眩いばかりの太陽と、朝方赤岳を隠していた雲がすごい勢いで流れています。
テカテカの文三郎尾根と、地蔵尾根直下をトラバースしている人が手に取るように眺められます。
正直、圧倒的な威圧感のある赤岳に押しつぶされそうになりました。

P1150194-001.jpg

長男はせっかくの晴天に、「行こう」と相方に懇願しますが、相方も疲労が濃く、「明日も天気だから大丈夫」と
起きることができません。

P1150199-001.jpg
横岳

夕方、モルゲンロートに輝く山々が明日の晴天も約束してくれるはずでした。。。

ところが、夜半から予定外の雪が降り始め、翌朝4時には10cm近くふんわりと雪が降り積もりました。
重く垂れ込めた雲と、ときおりぱらつく雪、そして全くない視界。

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みすみす登頂のチャンスを逃してしまった自分たちも不甲斐ないですが、
何より赤岳の登頂を楽しみにしていた長男に申し訳なくてしかたありません。
長男は特に責めるでもなく、それが余計に自分たちの気概の足りなさを感じて、
お山は体力、技術はもとよりもっと大切な気概が肝心だと、弱い自分たちを恥じました。

テントを撤収し、とぼとぼ3人帰路につきます。

P1150229-001.jpg

昨日登頂された方か、今朝登られた方々か、しっかりとした足取りでずんずんと追い越していきます。
その屈強な姿は、うららかなお山を楽しむ我々とは、一線を画しているのは明白でした。

自分の甘さとお山に対する気概があまりにも足りなかった私達は、
帰りの車中で、来冬は、絶対登ろうとおおいに反省会をしたのでした。

***コースタイム***
自宅2:25~美濃戸口P5:10/6:20~行者小屋10:40/翌日9:05~美濃戸口11:40


***覚え書き***
・美濃戸口駐車場は1日500円、プレハブの建物で料金徴収ですが、早朝は人がいないので帰ってから支払います。
・冬場の連休は駐車場が満杯になるので、6時前には到着していないと駐車できません。
・トイレは八ヶ岳山荘で借りられます。
・行者小屋の水場は文三郎尾根の方にあるようですが?、冬は凍結の恐れがあるようです。
・美濃戸山荘で水を汲めます。トイレも利用できます。
・冬期は行者小屋はやっていません。
・トイレは冬期トイレが2つ開放されています。赤岳鉱泉の方が掃除とペーパーの補充をしてくださりありがたいです。
・テント場料金は、1日一人1000円で、赤岳鉱泉から徴収にきます。
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Comment

- belay

2月の3連休は南八ツで年一番混む日じゃにかと思います。
晴天と云えども赤岳へは微妙な時間帯でもありますね。
2013.02.12 Tue 19:10 URL [ Edit ]

- ぜいぜい

☆belayさん
雪山エキスパートのbelayさんにコメントいただけるなんてうれしいです。
もう少し早い時間は、赤岳山頂には、雲がかかってあやしい感じだったので
2日目と思っていたのですが、まさかの雪とガスで、思いは遂げられませんでした。
また、来年もあるし、もうちょっと体力つけて頑張ろうと思います。
2013.02.12 Tue 20:48 URL [ Edit ]

八ヶ岳 - ねずぴん

われわれいつものぴよぴよさんとの漫才コンビは2/10中央アルプス宝剣岳へ登ってきました。お宿へ向かう途中に見えた八ヶ岳は素晴らしい姿でしたが、2/11はガスの中でした。2/10に登られた方は最高だったでしょうね。

天気図の等圧線をみるとある程度お天気の予想は出来たのでは?われわれは2/11安易な岩根山荘でアイスクライミングしてました。

2/10赤岳主稜と思ってたのですが、人多そうだったので敬遠しました。
2013.02.12 Tue 21:25 URL [ Edit ]

「気概」 - おネエ

何においても「極め」たり「挑ん」だりする時って最後は「気概」ですよね!!

来年は是非!!体力増強!!モリモリ!!

「行かない」「やめる」勇気は絶対必要ですもん。

実はマイミクさんのお仕事の上司だった方が「西穂」で遭難されて亡くなられたそうです。
油断があったのかな~天候が読めなかったのかな~
ぜいぜいさんにこんな話をするのは「縁起でもない」とは思ったのですが、山を知り尽くしておられるからこそ聞いて欲しかった。

私にとって「初登山」の想い出一杯の大切なお山。
残念で仕方がないです。
2013.02.12 Tue 21:51 URL [ Edit ]

- ぜいぜい

☆ねずぴんさん
外界の予報とお山とは違いますもんね。
いろんな意味で私達は足りないものだらけでした。
お山を下りた時の諏訪の晴天がうらめしかったです。
ねずぴんさんとぴよぴよさん、素晴らしく信頼できるザイルパートナーですものね。
お笑いの中にキラリと光る珠玉の名コンビですね。
楽しまれたようでなによりでした。

☆おネエさん
西穂の遭難の方はお知り合いでしたか、残念なことだったですね。
ベテランの方でも間違いはあるもの、道間違いということでしたが
下山時、ガスで見えない時こそ、コンパスと地形図で確認してほしかったですね。

お山はひとつひとつの積み重ねと、今またひしひしと感じます。
小さな努力や判断は、大きな厄災を生まない大切なこと。
すべてが、上手く回って一つの山行ができあがり、達成するものだと思います。
おネエさんが、やられていた、階段歩きもそんな小さな努力ですよね。
悔やまないためにも、私も来年に向けて、がんばります。
2013.02.12 Tue 22:12 URL [ Edit ]

- 臆崖道

ん?
ヤマテンの2/9 12時発表の赤岳の天気予報通りだと思うが・・・
ちなみに大峰も似たような天気でおました。
2013.02.12 Tue 23:31 URL [ Edit ]

- ぜいぜい

☆おくがけちゃん
それを見ていって、だいじょ~ぶって言ってた相方って。。。
2013.02.13 Wed 09:17 URL [ Edit ]

- ろび

ふ~ん そんなことがあったのね。
息子さんの気持ちや自分たちの体力的なこと、そして翌日のお天気など
を考えるといろいろ複雑かもしれませんが
やっぱり無理しなくてよかったんじゃないかと思うのです。

そうだよね、体力っていうより気力が大切なんだけどね
でもさ、若い時の疲れを知らずにグイグイ進んでいくパワーはなくなった分
景色や自然のちょっとした語りかけを全身で感じられる
心の余裕が 今になってこそできてきたんだよね。
もしも夫婦二人だったら、これもアリだったんだろうけどね
息子さんの「この次こそ」という次につながる気持ち、
それもある意味よかったんじゃないでしょか
2013.02.13 Wed 23:05 URL [ Edit ]

- ぜいぜい

☆ろびさん
そうそう、その通りだよ~
体力とかお天気とか、全部敗退の方に向かって行っちゃった感じ。。。
翌日は、登るつもりだったから、こんなことなら、中山展望台あたりは行っとくんだったなあなんて。
たぶん、相方と2人なら、笑って帰って来たけど、子供には悪い子としたなあって。
そっちのが、気になっちゃうんだよね。
2013.02.14 Thu 09:24 URL [ Edit ]

- 井上ウッド

う~ん、ろびさんと全く同意見ですね~。
僕だったら、モルゲンロート観れた時点で「これ以上はもったいない!」とかいって次の日もごまかすと思います。笑

今回のケースは、ある意味息子さんにも良い経験になったんじゃないかと思うんですけどね、僕は。ポジティブ過ぎですか?笑
2013.02.16 Sat 02:43 URL [ Edit ]

- ぜいぜい

☆ウッドさん
1日目の雪山の風情をいっぱい楽しんだんで、私も、まあ、満足っちゃあ満足なんだけど。
ヤマレコとかみたら、翌日はブリザードの中登頂とかあったので、
行かなくてよかったんですけど。

ウッドさんの楽しみ方は、もう一つの登山形態として確立していますから、
全然素敵です、自分もその境地にたどり着きたい。。。
2013.02.16 Sat 10:13 URL [ Edit ]

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