丹沢、悪沢
2010.08.09
恐怖心というものは、慣れると薄れるものなのでしょうか。
それともその恐怖を知っているために、また恐怖を再現してしまうものでしょうか。
あるいは何も恐怖と感じなかったものが、いきなり恐怖のスイッチが入ってしまうとか。
人の心理とは中々複雑でおもしろいものです。
まったく同じ状況なのにある時は恐怖と感じ、またあるときは何も感じない。
それともその恐怖を知っているために、また恐怖を再現してしまうものでしょうか。
あるいは何も恐怖と感じなかったものが、いきなり恐怖のスイッチが入ってしまうとか。
人の心理とは中々複雑でおもしろいものです。
まったく同じ状況なのにある時は恐怖と感じ、またあるときは何も感じない。
そんなこんなな昨年に続き二度目の悪沢です。
F1~F4までは、技量のないぜいぜい家ですから、巻き道からあっさり巻きます。
前回では何の苦もなく巻いている、なぜか一番簡単なF4の巻き道に腰が引けてしまった。
なんだか、いやな感じに恐怖のスイッチが入った

小さな堰堤を越え、小滝群はほんとに楽しみながら歩く。
丹沢の沢は水量がそんなに多くなくて滝場以外はのんびり歩けるのがいいです。
F5のスラブ滝にやって来ます。ハーケン打てば登れそうな感じですが、そういう技術がないので左岸から巻きです。
ここの巻きは草付きの石英閃緑岩のザレで、スラブとはまた違う感じで滑る。おまけにつかまるものもなし。
ここも前回は多少怖かったものの、案外あっさり巻けてしまった。
それが今回途中まで登ったら、足がすくんで一歩も進めなくなってしまう。
一旦立ち止まると足元からズルズルと滑りだしてしまい、どうしようもなくなってしまう。
たぶん、前回は積もった腐葉土が多かったので、そこにしっかりと足を踏み込めたものが、
今回はだいぶ腐葉土が薄くなっていてちょっときびしい状況だったかも。
相方にスリング出してもらって、なんとか越えることができた。やれやれだ。
その後の滝場は特に恐怖心を感じる事もなくなんとか終盤までやってきた。
8mスラブ滝は左寄りに登らないとホールドが無くなる。
ただでさえ、5mm程のあるかないかのホールドなのに相方につられて真ん中を行ってしまい、
案の定次の一手が出ず、立ち往生してしまう。
そんなに怖かったというほどでもなかったが、じりじりと指の力が抜けていく感じは、
次なる恐怖(滑落)を予感させて、あまりいい気持ちではない。
相方は私が登れると思っているので、中々スリングを出してくれない。
ひえ~もう限界というところで、やっとスリング出してもらった。やれやれだ。
いよいよ最後の岩盤の5mが二つ続く涸滝にやってきた。また、昨年滑落した恐怖が甦る。
一つ目はなんとかクリア、問題の二つ目はやっぱり登れず左を巻くが、
トラバースには、滑った隠れルンゼが不気味に顔を出す。
昨年は相方が先にいったので、ルンゼがむき出しになって怖かったので、今回は私から行くことにするが、やっぱりだめ。
結局、スリングで確保して行ったけど、やっぱり少し滑った。ここだけは何度やっても慣れる事ができない。
それでも昨年よりはCTを1h短縮して稜線に出ることができた。
昨年同様、左岸の小尾根から詰めてしまったが、最近厳しいバリをやっていなかったので、この小尾根は応えた。
もっと源頭まで詰めた方が楽かしらん。
稜線でお昼にしていると、一人の登山者が下ってきた。こんな夏にバリ?と思ったら、同じく悪沢を遡行された男性だった。
下りのバリルートの確認をされたので、大滝に下るルートを説明した。
実は今回遡行図も地形図も家に忘れてきてしまった。気づいたのは沢に入って分岐の確認をしたとき。
一度歩いた沢と尾根だったので、まあいいかと来てしまった。
今回も悪沢と箱根屋沢の中間尾根を下る予定で、P965から右の尾根を確認しながら歩いたつもりだった。
(1本目は悪沢に引き込まれる小尾根なので、入っていけないと注意しながらだった)
が、あくまでも気持ちだけで、実際はすごく明確な大滝方面に向かう踏み跡に引きづられてしまう。
道に張られたザイルを見て、「おかしいなあ、去年はこんなの全然気づかなかったね~緊張してたんだね~」
などと、およそピントのずれた会話。
さらに、右手に古い青っぽい金網が下部に巻かれた鹿柵が出てきた時点でやっとここは違うと確信した。
はっきりした踏み跡だし、これは大滝に下る仕事道だとすぐに解ったけど、
もう引き返すのも面倒だし、大滝でもいいやと下りだす。
そのうちに900m圏で仕事道が二俣になる。回りの風景からもしや右手は箱根屋沢の左岸尾根ではと踏んで、
ハシゴを使って鹿柵を乗り越える。
鹿柵の中は都合10個程のハシゴを使って何度も乗り越えた。650m圏ではぽっかりと開いた草原だった。
まあ、あまり考えもせず、薄い仕事道をたどると、箱根屋沢の左岸に楽々降りついた。最後はりっぱな階段になっていて
私有地につき立ち入り禁止の立て札が。。。反対から来てしまったので許してくださいね。
単独の男性に大滝への道を教えてあげる資格もない体たらくです。でも男性はしっかりと地形図を持っていたから大丈夫だったでしょう。
940m圏でもう少し右寄りに歩かないと、尾根に気づけなかったのだろうか。なんだかきつねにつままれたみたいだった。
なんといっても地形図忘れた自分が悪かったんだけど。でもおかげで、新しい尾根も見つけたし、結果オーライとしておこう。
写真はこちら
***コースタイム***
8:00入渓~12:25/12:50稜線~14:15箱根橋
F1~F4までは、技量のないぜいぜい家ですから、巻き道からあっさり巻きます。
前回では何の苦もなく巻いている、なぜか一番簡単なF4の巻き道に腰が引けてしまった。
なんだか、いやな感じに恐怖のスイッチが入った


小さな堰堤を越え、小滝群はほんとに楽しみながら歩く。
丹沢の沢は水量がそんなに多くなくて滝場以外はのんびり歩けるのがいいです。
F5のスラブ滝にやって来ます。ハーケン打てば登れそうな感じですが、そういう技術がないので左岸から巻きです。
ここの巻きは草付きの石英閃緑岩のザレで、スラブとはまた違う感じで滑る。おまけにつかまるものもなし。
ここも前回は多少怖かったものの、案外あっさり巻けてしまった。
それが今回途中まで登ったら、足がすくんで一歩も進めなくなってしまう。
一旦立ち止まると足元からズルズルと滑りだしてしまい、どうしようもなくなってしまう。
たぶん、前回は積もった腐葉土が多かったので、そこにしっかりと足を踏み込めたものが、
今回はだいぶ腐葉土が薄くなっていてちょっときびしい状況だったかも。
相方にスリング出してもらって、なんとか越えることができた。やれやれだ。
その後の滝場は特に恐怖心を感じる事もなくなんとか終盤までやってきた。
8mスラブ滝は左寄りに登らないとホールドが無くなる。
ただでさえ、5mm程のあるかないかのホールドなのに相方につられて真ん中を行ってしまい、
案の定次の一手が出ず、立ち往生してしまう。
そんなに怖かったというほどでもなかったが、じりじりと指の力が抜けていく感じは、
次なる恐怖(滑落)を予感させて、あまりいい気持ちではない。
相方は私が登れると思っているので、中々スリングを出してくれない。
ひえ~もう限界というところで、やっとスリング出してもらった。やれやれだ。
いよいよ最後の岩盤の5mが二つ続く涸滝にやってきた。また、昨年滑落した恐怖が甦る。
一つ目はなんとかクリア、問題の二つ目はやっぱり登れず左を巻くが、
トラバースには、滑った隠れルンゼが不気味に顔を出す。
昨年は相方が先にいったので、ルンゼがむき出しになって怖かったので、今回は私から行くことにするが、やっぱりだめ。
結局、スリングで確保して行ったけど、やっぱり少し滑った。ここだけは何度やっても慣れる事ができない。
それでも昨年よりはCTを1h短縮して稜線に出ることができた。
昨年同様、左岸の小尾根から詰めてしまったが、最近厳しいバリをやっていなかったので、この小尾根は応えた。
もっと源頭まで詰めた方が楽かしらん。
稜線でお昼にしていると、一人の登山者が下ってきた。こんな夏にバリ?と思ったら、同じく悪沢を遡行された男性だった。
下りのバリルートの確認をされたので、大滝に下るルートを説明した。
実は今回遡行図も地形図も家に忘れてきてしまった。気づいたのは沢に入って分岐の確認をしたとき。
一度歩いた沢と尾根だったので、まあいいかと来てしまった。
今回も悪沢と箱根屋沢の中間尾根を下る予定で、P965から右の尾根を確認しながら歩いたつもりだった。
(1本目は悪沢に引き込まれる小尾根なので、入っていけないと注意しながらだった)
が、あくまでも気持ちだけで、実際はすごく明確な大滝方面に向かう踏み跡に引きづられてしまう。
道に張られたザイルを見て、「おかしいなあ、去年はこんなの全然気づかなかったね~緊張してたんだね~」
などと、およそピントのずれた会話。
さらに、右手に古い青っぽい金網が下部に巻かれた鹿柵が出てきた時点でやっとここは違うと確信した。
はっきりした踏み跡だし、これは大滝に下る仕事道だとすぐに解ったけど、
もう引き返すのも面倒だし、大滝でもいいやと下りだす。
そのうちに900m圏で仕事道が二俣になる。回りの風景からもしや右手は箱根屋沢の左岸尾根ではと踏んで、
ハシゴを使って鹿柵を乗り越える。
鹿柵の中は都合10個程のハシゴを使って何度も乗り越えた。650m圏ではぽっかりと開いた草原だった。
まあ、あまり考えもせず、薄い仕事道をたどると、箱根屋沢の左岸に楽々降りついた。最後はりっぱな階段になっていて
私有地につき立ち入り禁止の立て札が。。。反対から来てしまったので許してくださいね。
単独の男性に大滝への道を教えてあげる資格もない体たらくです。でも男性はしっかりと地形図を持っていたから大丈夫だったでしょう。
940m圏でもう少し右寄りに歩かないと、尾根に気づけなかったのだろうか。なんだかきつねにつままれたみたいだった。
なんといっても地形図忘れた自分が悪かったんだけど。でもおかげで、新しい尾根も見つけたし、結果オーライとしておこう。
写真はこちら
***コースタイム***
8:00入渓~12:25/12:50稜線~14:15箱根橋
Comment
- wakky
コメントが0なので、何か書いてみようと思った
2010.08.14 Sat 02:50 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆わっきーさん
やさしくって、どうもありがと。
今晩からお山ですよ~あ~楽しみ!!!
19日まで帰りませんよん。
やさしくって、どうもありがと。
今晩からお山ですよ~あ~楽しみ!!!
19日まで帰りませんよん。
- ロビン@仕事
もうかえってきたのかなー
>いきなり恐怖のスイッチが入ってしまうとか
わかる わかる。山や沢だけでなく
普段の生活の中でもあるよね、そんな時
私は
沢は経験ないので ただ気持ちいいだろうなーっと
想像はできますが・・・
ずーっと休みのない師匠が やっとことれる夏季休暇(月末)に雲取の沢にはいるようです。
やっぱ夏は涼しいもんねー
>いきなり恐怖のスイッチが入ってしまうとか
わかる わかる。山や沢だけでなく
普段の生活の中でもあるよね、そんな時
私は
沢は経験ないので ただ気持ちいいだろうなーっと
想像はできますが・・・
ずーっと休みのない師匠が やっとことれる夏季休暇(月末)に雲取の沢にはいるようです。
やっぱ夏は涼しいもんねー
2010.08.18 Wed 12:22 URL [ Edit ]
- きぬ
ぜぜさん、写真みましたよ。
なんか、かっこよくて、くのいちか
アンジーみたいにみえました。
なんか、かっこよくて、くのいちか
アンジーみたいにみえました。
2010.08.18 Wed 21:15 URL [ Edit ]
- ぜいぜい
☆ロビはん
今日帰ってきましたよん。
いやあ、今回か恐怖スイッチは少しこわれていたみたいで、なんとか相方念願のルートに挑戦することができました。
師匠はどこの沢かなあ?雲取は小粒でいいとこがいっぱいあるから、きっと楽しめるのでは。
こんど、ロビはんも師匠と一緒に、沢どうですか?経験者といっしょなら、確保してもらえるし、楽しめるのでは。。。
☆きぬさん
あはは、くのいちですかあ。忍者服のサイズ合いまへ~ん。
実際は結構必死だったりします。。。
今日帰ってきましたよん。
いやあ、今回か恐怖スイッチは少しこわれていたみたいで、なんとか相方念願のルートに挑戦することができました。
師匠はどこの沢かなあ?雲取は小粒でいいとこがいっぱいあるから、きっと楽しめるのでは。
こんど、ロビはんも師匠と一緒に、沢どうですか?経験者といっしょなら、確保してもらえるし、楽しめるのでは。。。
☆きぬさん
あはは、くのいちですかあ。忍者服のサイズ合いまへ~ん。
実際は結構必死だったりします。。。
TrackBack
TrackBackURL
→ http://zeizei.blog5.fc2.com/tb.php/547-27f4c471
→ http://zeizei.blog5.fc2.com/tb.php/547-27f4c471
| Home |