乙女高原 星景
2018.08.09
この日の夜空は遠雷から始まった。
台風の余波であろう入道雲が夕闇だというのに、大きく北東の空に掛かって、何やら嫌な気配があたりを支配した。
静寂は次の轟の大きな程、その深淵は深く静かに沈み、やがて襲う轟が辺りを破る。

暗闇の中、テンであろうか、二つの光る眼がじっとこちらを見つめていた。
人間と野生の間合いを取って、やがてまた闇に消える。
しばらくで、野鳥の断末魔の鳴き声と雄たけびが響いた。
ひとの気配のない自然の中、夜露がひたひたと闇にベールをかけ、夏とは思えない思わぬ寒さが辺りを覆う。
相方も寝てしまった、たった一人の闇の中、月はまだ出てこない。
闇への恐怖が、ときどき背後を振り向かさせる。何もいない。。。安心と安堵。
空が晴れるのを待って、やがて星への期待とがないまぜになる。

火星は相変わらず炎の目だった。
15年ぶりに再び地球に近づいたこの惑星は夏の夜空に一際輝いて、星撮影のきっかけの一つではあった。
実際の天の川はこの高度(1600m)ではうっすらとして、早く探してごらんとささやく。
7月から始めた星撮影は、刻々と位置の変わっていく星たちの営みをひしひしと感じることができた。
夜も大分更けていくと、ついに生き物たちも寝静まってしまったようだ。
舗装の道に寝転がってみる。ああ、空が広い。でも手の届きそうな星たち。。。
さあ、私も星たちにおやすみをなさいを言おう。


台風の余波であろう入道雲が夕闇だというのに、大きく北東の空に掛かって、何やら嫌な気配があたりを支配した。
静寂は次の轟の大きな程、その深淵は深く静かに沈み、やがて襲う轟が辺りを破る。

暗闇の中、テンであろうか、二つの光る眼がじっとこちらを見つめていた。
人間と野生の間合いを取って、やがてまた闇に消える。
しばらくで、野鳥の断末魔の鳴き声と雄たけびが響いた。
ひとの気配のない自然の中、夜露がひたひたと闇にベールをかけ、夏とは思えない思わぬ寒さが辺りを覆う。
相方も寝てしまった、たった一人の闇の中、月はまだ出てこない。
闇への恐怖が、ときどき背後を振り向かさせる。何もいない。。。安心と安堵。
空が晴れるのを待って、やがて星への期待とがないまぜになる。

火星は相変わらず炎の目だった。
15年ぶりに再び地球に近づいたこの惑星は夏の夜空に一際輝いて、星撮影のきっかけの一つではあった。
実際の天の川はこの高度(1600m)ではうっすらとして、早く探してごらんとささやく。
7月から始めた星撮影は、刻々と位置の変わっていく星たちの営みをひしひしと感じることができた。
夜も大分更けていくと、ついに生き物たちも寝静まってしまったようだ。
舗装の道に寝転がってみる。ああ、空が広い。でも手の届きそうな星たち。。。
さあ、私も星たちにおやすみをなさいを言おう。


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